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2019年3月の投稿

不動産セミナーに登壇しました

2019年3月22日、株式会社オウケイウェイヴ主催の不動産セミナー『失敗しない不動産取引~税理士、弁護士、行政書士と学ぶプロの視点~』に登壇しました。

*https://www.okwave.co.jp/press/20190311/

 

30分と短い時間でしたが、不動産取引の基本についてお話をさせていただきました。

 

少し専門的な話になりますが、民法には、つぎのような規定があります。

 

*民法177条

「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」

 

ここで規定されているのは、登記がなければ、「第三者」に対して、対抗(確定的な所有権を主張)できないということのみです。

 

すなわち、「登記があれば、第三者に対抗できる」ことまでは保証していないのです。

 

大手の不動産会社の方でも、この違いを理解していいない方がたくさんいますが、不動産取引においては、この違いは非常に大きなものです。

このことを正確に理解していないと、事件や無用なトラブルに巻き込まれてしまう危険があります。

 

このほか、不動産取引においては、正確に理解していないと思わぬ不利益を被ってしまう、ポイントがいくつかあります。

必ず押さえておきましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

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民法改正8 まとめ

さて、先週まで、個別の改正箇所についてみてきました。

このほかにも重要な改正がなされていますが、基本的には、これまで判例で確立されてきた法理を明文化したものになっています。

 

たとえば、意思能力(判断能力)。

判例上、意思能力を有しないでした法律行為は無効と解釈されていましたが、これが明文化されました。

*改正法3条の2

「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」

 

また、判例上、将来発生する予定の債権であっても、譲渡や担保設定できると解釈されていましたが、明文はありませんでした。

これを明文化しています。

*改正法466条の6・1項

「債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。」

 

さらに、賃貸借終了時の敷金返還や、原状回復に関する基本的なルールも追加されています。

*改正法621条

「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」

*改正法622条の2・1項

「賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。

二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。」

 

このほか、多数の改正がなされていますので、改正法が施行される2020年4月1日までに、一度きちんとチェックしておきましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

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民法改正7 瑕疵担保

現行法では、瑕疵担保責任が規定されています。

瑕疵担保責任とは、売買・請負等の有償契約において、その目的物に、容易に発見できないような欠陥があった場合、売主や請負人らが、買主や注文者に対して負わねばならない担保責任のことをいいます。

 

*570条本文

「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。」

*566条1項

「売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。」

 

このような瑕疵担保責任ですが、「隠れた瑕疵」の意義が分かりにくいといった批判がありました。

 

そこで、この度の改正では、瑕疵担保責任を契約不適合責任と再構成することになりました。

 

*改正法562条1項

「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。」

 

そして、現行法では、買主は、損害賠償請求と解除しかできませんでしたが、改正法では、履行の追完請求(改正法562条)や代金減額請求(改正法563条)も選択できるようになりました。

 

このように、瑕疵担保責任は、契約不適合責任となり、大幅な改正がなされているので、注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

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民法改正6 約款

約款とは、大量の同種取引を迅速・効率的に行う等のために作成された定型的な内容の取引条項をいいます。

現代社会においては、大量の取引を迅速に行うため、詳細で画一的な取引条件等を定めた約款を用いることが必要不可欠となっており、たとえば、電車の運送約款、生命保険の保険約款、インターネットサイトの利用規約など、約款は、現実に数多くの場面で広範に利用されています。

このような約款を当事者間の契約内容とするためには、当該約款を契約内容とする旨の合意が必要となるのが原則です。

 

ところが、現行の民法には約款に関する規定がなく、また、確立した解釈も存在していませんでした。

そこで、改正法は、約款(「定型約款」)に関する規定を新設しています(改正法548条の2・1項)。

 

まず、「定型約款」については、「定型取引」において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体とし、

「定型取引」については、①ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、②その内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものとしています。

 

そして、定型約款を契約の内容とするための要件についても明らかにしています。

すなわち、

(ア)定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき

(イ)定型約款を準備した者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき

は、相手方が定型約款の条項の内容を認識していなくても合意したものとみなし、契約内容となるとされています(改正法548条の2・1項)。

 

ただし、(定型取引の特質に照らして)相手方の利益を一方的に害する契約条項であって信義則(民法1条2項)に反する内容の条項については、合意したとはみなされず、契約内容とはなりません(改正法548条の2・2項)。

 

そのため、約款の内容については、専門家にきちんと相談してその有効性について検討しておくことが重要といえます。

(弁護士 國安耕太)

 

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