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交通事故をめぐる法律関係1 交通事故の損害賠償責任

今回から、交通事故をめぐる法律関係について、ご紹介していきます。

第1回のテーマは、交通事故の損害賠償責任です。

 

交通事故の被害者は、直接の加害者である運転者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます(民法709条)。

被害者が請求することができる損害は、傷害または死亡による損害である「人身損害」と車両破壊による損害等の「物件損害」に大別することができ、「人身損害」は、さらに「財産的損害」と「精神的損害」に分けられます。

 

「財産的損害」とは、交通事故によって被害者に生じた財産的・経済的な不利益をいいます。

具体的には、治療費や通院交通費といった、被害者が交通事故のために出費を余儀なくされたことによる損害(積極損害)と休業損害といった、被害者が自己に遭わなければ得られたであろうと考えられる利益を失ったことによる損害(消極損害)がこれにあたります。

 

一方で、「精神的損害」とは、交通事故によって被害者が感じた苦痛や不快感等をいい、これを賠償するのが慰謝料にあたります。

 

従業員が業務中に交通事故を起こした場合には、会社も被害者に対して損害賠償責任を負うことになります。

また、従業員が無断で私用のために社用車を運転して交通事故を起こした場合であっても、当該従業員がどのような経緯で社用車を持ち出したのか、日常的に当該従業員が自動車を業務として運転していたのか、これまでも無断私用運転が行われてきたのか等といった事情を総合的に考慮し、当該運行が会社の支配下にあったと評価できる場合には、会社も被害者に対して損害賠償責任を負うことになります(大分地判平成5年10月20日交民26巻5号1299頁)。

 

もっとも、会社が被害者に対して損害賠償を支払ったときは、直接の加害者である従業員に対して、会社が被害者に支払った損害を求償することができます。

ただし、会社は従業員を使って利益をあげている以上、従業員を使うことによって生じた不利益も甘受すべきであるという報償責任の原則から、従業員に対する求償権が制限されることがあります。

 

次回は、「積極損害」についてご紹介します。

(弁護士 松村 彩)

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