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2019年5月の投稿

取締役の責任とは?3 取締役の権限

取締役の権限は、会社の組織形態によって異なります。

すなわち、取締役会(または委員会)があるかないかによって、その権限は大きく異なります。

 

まず、取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社)で、取締役が1名の場合、当該取締役が業務の方針を決定し、業務を執行します(会社法348条1項)*1。

取締役が2名以上いる場合は、業務の方針は、取締役の過半数によって決定することになりますが(会社法348条2項)、各取締役は1人で業務の執行をすることができます。

ただし、代表取締役が選任されている場合は、代表取締役のみが会社を代表する権限を有します(会社法349条4項)。

 

これに対し、取締役会設置会社では、取締役会が業務の執行をします(会社法362条2項1号)。

すなわち、取締役会が代表取締役や業務執行取締役を選任し、同人に業務執行を委任したうえで、その業務執行を監督する(会社法362条2項2号)ことになります。

そのため、実際には、代表取締役や業務執行取締役が、業務執行の決定を行い、執行することになります。

ただし、重要な業務執行の決定については、取締役会で決定しなければならず、代表取締役や業務執行取締役に委任することはできないとされています(会社法362条4項)*4。

 

このように、会社の組織形態によって、取締役の権限は大きく異なってきます。

(弁護士)國安 耕太

 

*1 会社法348条1項

「取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。」

 

*2 会社法348条2項

「取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。」

 

*3 会社法349条4項

「代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。」

 

*4 会社法362条4項

「取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。

一 重要な財産の処分及び譲受け

二 多額の借財

三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任

四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項

六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備

七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除」

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取締役の責任とは?2 取締役の法的性質

取締役は、会社との間で、報酬や任期等について合意した会社の経営に関する委任契約を締結し(会社法330条)、業務執行を行います。

この委任契約は、同じく会社の業務を行う従業員が会社との間で締結している労働契約(雇用契約)とは、大きく異なっています。

 

まず、委任契約は、いつでも解除することができます(民法651条)。

そのため、取締役についても、「いつでも株主総会の決議によって解任することができる」(会社法339条1項)とされています。

これは、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法16条)とされ、契約の解除が制限されている雇用契約との大きな違いです。

 

また、取締役は、業務執行の対価として会社から報酬を受領しますが、会社の業績が悪いと、報酬を大幅に減額される可能性があります。

他方、労働契約では、賃金全額払いの原則が定められている(「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」労働契約法24条1項本文)とされています。

 

さらに、取締役の任期は、原則として2年とされており(会社法332条1項)、伸長した場合でも最大で10年です(同2項)。

これに対し、労働契約は、定年までの労働契約を締結することができます。

 

このように、取締役の委任契約は、労働者の労働契約とは大きく異なっていることに留意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

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取締役の責任とは?1 総論

2017年版「中小企業白書」には、総務省「就業構造基本調査」を活用した、起業を希望する起業希望者や実際に起業した起業家といった起業の担い手の実態や経年推移等が記載されています*。

 

さて、起業する場合、個人事業主として起業するほか、会社を設立して起業するということも可能です。

会社を設立して起業する場合、みなさんは、(代表)取締役になることになりますが、会社法上、取締役には、取締役固有の責任が定められています。

 

これから取締役になる方は、ぜひ取締役の責任について、きちんと理解してから取締役に就任して欲しいと思います。

 

また、すでに取締役となっている方は、取締役がどのような責任を負っているのかについて改めて確認し、そのリスク管理をしていただければと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

*https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/h29_pdf_mokujityuu.html

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令和元年

みなさま、ゴールデンウィークはいかが過ごされましたでしょうか。

31年続いた平成が今年の4月30日で終わり、新たに5月1日から、令和がスタートしました。

 

新たな令和という時代が、素晴らしいものになることを願ってやみません。

 

さて、このように新たにスタートした、令和という元号ですが、法的にはどのような位置づけとなるのでしょうか。

 

まず、元号法は、このようにわずか2条しかない法律ですが、つぎのように定めています。

 

第1条 元号は、政令で定める。

第2条 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。

 

上記の通り、元号が「皇位の継承」があった場合に改められることになります。

そのため、今回も皇位継承に伴って、平成から令和に年号が改められることになりました。

 

なお、皇位継承に関する規律は皇室典範に規定されていますが、従前、皇室典範は、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」(第4条)と定めるのみで、生前に退位することを想定した規定を置いていませんでした。

 

そこで、この度、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」(成立:平成29年6月9日、公布:平成29年6月16日)を制定し、生前退位に関する法整備を行っています。

この法律によって、前天皇陛下が、「この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位する」こと(第2条)、退位した前天皇陛下が、「上皇」となること(第3条第1項)等が定められています。

なお、「上皇」の敬称は、天皇と同様「陛下」とする旨も併せて規定されています(第3条第2項)。

 

このように、今回の新天皇陛下の即位と、新元号の制定も、法律の規定に基づいて行われているのです。

 

*https://www.kantei.go.jp/jp/headline/taii_tokurei.html?fbclid=IwAR1BniBhigB_KGeJAdHp-069YVKQP9p5Q3TN-rCNbVMu9jqAqkQzkI2xAoU

 

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