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2021年1月の投稿

インターネット上の名誉棄損2

さて、前回、インターネット上の書き込みにより被害が起きてしまった場合、会社は、(1)情報が書き込まれたサイトの管理者等に対し、(ア)削除要請や(イ)削除請求を行う、(2)加害者本人に対し、(ウ)書き込みの削除要求や(エ)被害の回復を求めるためα損害賠償・β謝罪広告等を強制する命令に関する訴訟を提起することが考えられる、という話をしました。

では、具体的に、どのような要件を満たせば、上記各手段を取ることができるのでしょうか。

まず、(1)情報が書き込まれたサイトの管理者等に対し、(ア)削除要請する場合は、サイト上のオンラインフォームを利用する方法やプロバイダ責任制限法*1のガイドラインの書式に従った送信防止措置依頼の方法*2があります。
いずれの方法も、書き込みが掲載されている場所、掲載されている情報、侵害された権利、なぜ自分の権利が侵害されたと言えるかといったことを、サイト管理者等に説明する必要があります。

つぎに、裁判上の手続きである(イ)削除請求を行う場合には  
(a)名誉権(人の品性、名誉、信用といった客観的な社会的評価のこと)が現在も侵害されていること
(b)内容が事実でないか公益目的でないことが明白であること
(c)金銭による損害賠償では、損害の補填が不十分であること
が必要になります*3。

(2)加害者本人に対し、(ウ)書き込みの削除要求する場合も、やはり、任意の交渉ですので、定まった要件というものはありませんが、書き込みが違法であることや名誉権を侵害していることなどを説明し、説得することになります。

さらに、被害回復の(エ)α損害賠償に関する訴訟を提起する場合は、
(a)故意または過失があること
(b)違法な行為であること
(c)特定個人の名誉権を侵害したこと
(d)損害が発生したこと
が必要になります。

同じく、β謝罪広告等を強制する命令に関する訴訟を提起する場合は、
(a)故意または過失があること
(b)違法性が特に強い悪質な行為であること
(c)特定個人の名誉権を侵害したこと
(d)謝罪広告等が名誉回復のために、相当であること
が必要になります。

このような各要件を満たせば、形式的には、加害者本人に対して、削除要求や各種訴訟を提起することができる、ということになります。
ただ、実際の事案では、匿名で書き込み等がなされており、そもそも誰が加害者かわからない、ということが往々にしてあります。

そこで、次回以降は、加害者が誰かわからない場合に、どのような手続きを取れば加害者を特定できるのか、について解説していきます。

*1 正式名称「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
*2 プロバイダ責任制限法のガイドラインでは、どのような送信防止措置(書き込みの削除)の依頼があった場合に、送信防止措置を行うべきかが解説されており、送信防止措置請求に関する書式が公開されています。
  このガイドラインに従わない場合、サイト管理者等は、損害賠償責任を負う可能性が出てきますので、サイトのフォームを利用するときよりも、事実上の強制力が高い手段といえます。
*3 なお、削除請求の要件についての見解は別れており、上記の要件でなくとも、削除請求が認められる場合もありえます。

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インターネット上の名誉棄損1

2021年1月8日、再び非常事態宣言が発令されることになりました。本年も、新型コロナウィルス(以下「コロナ」)の問題は長引きそうです。

このような状況の中、心配されるのは、クラスター(コロナの感染者集団)の発生の有無やコロナ対策の実施などについてインターネットで虚偽の情報を書き込まれることです。
例えば、とあるレストランで、クラスターが発生したと虚偽の情報がインターネット上に書き込まれた場合、そのレストランの社会からの信頼や評価が低下し、来店客や売上の減少という損害が発生してしまう可能性があります。
また被害者がもう少し広い例としては、ある市町村で、居酒屋のコロナ対策が十分にされていないと虚偽の情報がインターネット上に書き込まれ、その市町村のとある居酒屋が被害を受けるという場合も考えられます。

では、上記のような被害が起こってしまった場合、会社はどのような対応ができるのでしょうか。

まず、考えられるのは、

(1)情報が書き込まれたサイトの管理者等に対し、(ア)削除要請や(イ)削除請求を行う

ということです。

つぎに、(2)加害者本人に対し、

(ウ)書き込みの削除要求
(エ)被害の回復を求めるため
㋐損害賠償
㋑謝罪広告等を強制する命令
に関する訴訟を提起すること

等が考えられます。

もっとも、あらゆる書き込みに対して、上記の手段を行使出来るわけではありません。
次回は、どのような要件を満たせば、上記各手段を取ることができるのか、検討していきたいと思います。

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2021年の始まりに寄せて

みなさま、あけましておめでとうございます(すでに12日も経っていますが・・・)。

いよいよ2021年がスタートしましたが、年明け早々、関東4都県には緊急事態宣言が発出されました。
今年も新型コロナの影響はまだまだ続きそうです。

ただ、現時点(2021年1月12日)では、朔件の緊急事態宣言とは異なり、官公庁や学校等は、閉鎖せず、通常通りのようです。
同様に、当面は、裁判所も休廷せず、通常通り開廷されるようですので、当事務所もいまのところ通常通りの予定です。   このように先行きの見通しがつきにくい状況ですが、当事務所は、本年も着実に、かつ、最大限の成長を目指していきたいと思います。

毎年年始にお伝えしていることですが、当事務所の名称「ノースブルー」は、北海道にある日本一長い直線道路の愛称である「ノースブルーウェイ」から名付けました。
法的紛争が多様化・複雑化している現代社会において、当事務所は、クライアントのみなさまの進むべき道を真っ直ぐ示す道標でありたいと願っております。

また、当事務所は、クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命としています。
私たちは、上記使命を達成するため、①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと、②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと、③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと、を誓約いたします。

旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございました。
みなさまのご健勝とご多幸を祈念しております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(弁護士 國安耕太)

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