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2016年9月の投稿

起業塾7:知的財産権の活用3(意匠法)

意匠法は、物品のデザイン(形状、模様、色彩等)を保護する法律です*1。

 

意匠法は、「意匠権者は、業として登録意匠およびこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する」と定め(意匠法23条本文)、意匠権者に一定期間(20年)、その意匠を独占的排他的に使用できる権利を認めています。

前回取り上げた特許と異なり、意匠の場合は、「類似する意匠」にまで専有権が認められています。

そのため、第三者が権原なく、登録意匠を実施*2した場合だけでなく、類似する意匠を実施した場合も、意匠権の直接的な侵害なります。

 

また、意匠法においても、侵害の予備的行為も侵害とみなして、その行為を禁止する権利を認めています(意匠法38条)。

 

そして、意匠権侵害がなされた場合、意匠権者等は、差止請求(意匠法37条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(意匠法41条、特許法106条)等をすることが認められています。

 

なお、意匠の類否は、「需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする」(意匠法24条2項)とされていますが、その判断は容易ではありません。できれば事前に専門家に相談しておくことをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

意匠法2条1項

この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

 

*2

意匠法2条3項

この法律で意匠について「実施」とは、意匠に係る物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為をいう。

 

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定員:30名

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起業塾6:知的財産権の活用2(特許法)

特許法は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものである発明を保護する法律です。

 

特許法は、「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。」(特許法68条)と定め、特許権者に一定期間(原則20年)、その特許発明を独占的排他的に実施できる権利(排他的独占権)を認めています。

そのため、第三者が権原なく、特許発明の実施をした場合、特許権侵害に該当します。

 

また、特許発明を実施したときのように直接侵害行為を行う場合だけでなく、侵害の予備的ないし幇助的な行為についても、侵害とみなされます(特許法101条)。これは、このような行為を放置しておくと、侵害を誘発する蓋然性が極めて高く、かつ侵害が生じてからでは侵害を補足することが困難であるために設けられた規定とされています。

 

そして、特許権侵害がなされた場合、特許権者等は、差止請求(特許法100条)、損害賠償請求(民法709条)、信用回復請求(特許法106条)等をすることが認められています。

 

なお、発明には、①物の発明、②方法の発明、③物を生産する方法の発明の3種類がありますが(特許法2条3項)、①物の発明および③物を生産する方法の発明の場合、輸出入、譲渡等の行為も実施にあたります。

そのため、商品の輸出入、転売等を業として行っている場合は、当該商品が特許権を侵害していないか、慎重に検討する必要があります。

(弁護士 國安耕太)

*第10回JSH交流会(ミニセミナー付き)を開催いたします。

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東京都新宿区歌舞伎町1-1-16 テイケイトレードビルB1

参加資格:人事、総務、法務担当者の方など(経営者、役員、管理職の方もご興味のある方ならOK)

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*弁護士ドットコムの取材を受けました。

従業員間の守秘義務について記載しています。

https://www.bengo4.com/houmu/n_5068/

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起業塾5:知的財産権の活用1

起業したての会社にとっても、知的財産戦略はとても重要です。

 

普段、私たちが目にしている商品やサービス(役務)には、様々な知的財産権が用いられています。

財産権は、形のある動産や不動産が一般的ですが、人間の精神活動の結果として創作される技術やブランド、アイデア等無形のものの中に、財産的価値が見出されるものがあります。

このような人間の知的な活動から生じる創造物に関する権利を総称して、知的財産権と呼んでいます。

 

たとえば、フォルクスワーゲン社の自動車。

フォルクスワーゲン社の自動車には、VとWを組み合わせたマーク(標章)があります。この標章は、特許庁に登録することで、商標法上の「商標権」の対象となります。同じく、自動車本体のデザインも、特許庁に登録することで意匠法上の「意匠権」の対象となります。

また、自動車の製造には、数多くの技術が用いられており、これらの技術は、特許庁に登録することで、特許法上の「特許権」や実用新案法上の「実用新案権」の対象となります。

さらに、自動車を作動させるためのプログラムは、著作権法上の「著作物」に該当すれば、「著作権」の対象となります。

このように、1つの商品だけでも、商標権、意匠権、特許権および著作権といった、様々な知的財産権が組み合わされて用いられています。

 

知的財産の保護が不十分な場合、自社の技術やブランドを無断で使用されたり、偽物の商品が出回ることを止めることができない等のリスクが生じえます。

また、他社の情報をきちんと調査しないまま研究開発を進めた場合、他社の特許権や商標権と抵触して、研究成果を製品化できなかったり、他社から損害賠償を請求されてしまう、といった事態も考えられます。

 

ぜひ一度知的財産戦略について、考えてみてください。

(弁護士 國安耕太)

*弁護士ドットコムの取材を受けました。

従業員間の守秘義務について記載しています。

https://www.bengo4.com/houmu/n_5068/

 

 

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起業塾4:資本政策の重要性

起業した会社にとって、資本政策をどのように考えるかは、とても重要です。

 

資本政策とは、一般的に、株式公開(上場)に向けて、株主構成や資金調達等に関する計画を作ることをいいます。

具体的には、いつ、誰に、いくらで、どのような方法で、いくつの株式を割り当てるのかを計画します。

 

また、株式公開を目指していなかったとしても、数人の仲間で会社を始めるような場合には、きちんと資本政策を考えておく必要があります。

 

なぜなら、資本政策を後からやり直すことが非常に難しいからです。

すなわち、上記のとおり、資本政策とは、いつ、誰に、いくらで、どのような方法で、いくつの株式を割り当てるのか、という問題です。

一度株式を割り当て、株主にした場合、株主を追い出すことは容易ではありません。

 

そして、株主には、様々な権利があります。

単独で行使できる権利(議決権、株主総会における議案提案権等)もありますが、一定数以上の株式を有している場合に求められる少数株主権(帳簿閲覧権、株主総会招集権、解散請求権等)もあります。

 

どの株主に、どのような権利まで認めるのかは、その後の会社の方向性を左右しうるものです。

したがって、起業したての会社であったとしても、資本政策をどのように考えるかは、とても重要といえるのです。

(弁護士 國安耕太)

*弁護士ドットコムの取材を受けました。

従業員間の守秘義務について記載しています。

https://www.bengo4.com/houmu/n_5068/

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