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死後事務委任

死後事務委任契約6

さて、これまで、死後事務委任契約についての概略を見てきました。
ただ、実は、死後事務委任契約だけでは、おひとりさまの終活としては、不十分です。

死後事務委任契約は、あくまでも故人である被相続人の財産以外についての要望を規定しているものです。

財産については、基本的には「遺言書」で規定しなければなりません。

むしろ、死後事務委任契約は、遺言書ではカバーできない自分が亡くなった後の諸手続や葬儀・埋葬等に関する事務について、被相続人の要望を実現するために考えられた手法なのです。

この点を踏まえて、先週(11月12日)、あさ出版様から上梓した著書『おひとりさまの終活「死後事務委任」』でも、死後事務委任契約だけでなく、遺言書や家族信託、成年後見制度等にも触れています。

おひとりさまや死後事務委任に興味がある方のみならず、終活についての知識を一通り得たい方にも最適な内容となっています。
終活のバイブルとしてご活用いただければ幸いです。

(弁護士 國安耕太)

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あさ出版様から著書『おひとりさまの終活「死後事務委任」』を上梓いたします(11月12日発売予定)

現在、日本は65歳以上の人口の割合が全人口の21%を超え、超高齢社会を迎えています。また、国勢調査では、高齢者の6人に1人が、一人暮らしをされているとされています。
生涯未婚率の上昇、出生率の低下など、超高齢社会の原因が今後も改善しなければ、“おひとりさま”社会がやってくるのは目前です。ニュースで耳にする孤独死も他人事では済まされなくなってきています。
実際、安心して晩年を過ごしたいとおっしゃる方々からのご相談も、年々増加してきています。

このような背景のなか、あさ出版様の編集者である小川様と知己を得、今後のおひとりさま社会について話をする中で、おひとりさまの終活についての書籍を執筆することになりました。
超高齢社会という日本社会の実情を踏まえ、最近話題となることの多い死後事務委任のほか遺言・家族信託・成年後見などおひとりさまの終活にかかわるトピックについて、まとめております。
ご自身の終活だけでなくご両親などの終活にもお役に立てれば幸いです。
(弁護士 國安耕太)

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死後事務委任契約5

死後事務として、埋葬、散骨等に関する手続きを依頼する場合、注意しなければならないことがあります。
 
まず、現在、日本では99%が火葬となっていますが、法律上は土葬も可能です。
ただ、場所によっては、条例等で土葬が禁止されています。
たとえば、東京都の大部分は土葬禁止区域に指定されています*1。
また、各墓地によって土葬が禁止されている場合があります。
そのため、土葬を希望する場合は、これらに違反しない墓地を選択する必要があります。
 
つぎに、遺骨についても様々な規制があります。
まず、遺骨は墓地以外の場所に埋蔵することはできません*2。
そのため、自宅で遺骨を保管することは可能ですが、庭や畑に埋めたりすることはできません。
また、遺骨をそのまま山中や海中に撒くことは、犯罪になります*3。
さらに、自治体によっては粉骨して粉状にした遺骨を撒くことも禁止しています。
 
このように、埋葬、散骨等に関しては各種規制がありますので、実際に依頼する場合は、これらの規制に注意して行うことが必要です。
(弁護士 國安耕太)
 
*1 港区墓地等の経営の許可等に関する条例施行規則
7条(土葬禁止地域の指定)
条例第十四条第一項の規定により区長が指定する土葬を禁止する地域は、区内全域とする。
 
*2 墓地埋葬法
4条1項
埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

*3 刑法
190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、または領得した者は、三年以下の懲役に処する。

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死後事務委任契約4

さて、前回は、誰に死後事務委任の受任者になってもらうのか、ということについて話をしました。

 

では、つぎに、死後事務として、どのような内容を委任したらいいのでしょうか。

 

一般的には、次のような事項を定めておくことが多いです。

 

・病院の退院手続きと精算

・葬儀、火葬に関する手続き

・埋葬、散骨等に関する手続き

・自宅賃料の支払い、解約手続き

・ガス、水道、電気などの解約手続き

・遺品整理など

 

もちろん、死後事務委任契約は委任者と受任者との間の契約ですから、基本的にはどのような内容を定めても構いません。

ただ、財産に関する事項は、遺言書等の定めが優先されますので、ご注意ください。

(弁護士 國安耕太)

 

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死後事務委任契約3

では、実際に死後事務委任の契約はどのように進めていけばよいのでしょうか。

 

まず、誰に死後事務委任の受任者になってもらうのか、という問題があります。

 

もちろん、遠い親族や友人、知人と契約することも可能です。

 

ただ、自分が歳を取れば、その分親族や友人、知人も歳を取ります。

死後事務の中には、慣れていないと面倒な手続きもありますから、頼んだ時は簡単にできると思っていたことでも、後々自分でやることが難しくなってしまう可能性もあります。

実際、友人に死後事務を委任され引き受けたものの、亡くなられたあと手続きをしようとしてうまくいかず、受任者の方が専門家に依頼することになってしまったというケースもあるほどです。

 

そのため、場合によっては、専門家に依頼することを検討してみることをお勧めします。

 

また、親族や友人、知人に依頼するのか、専門家に依頼するのかといった表面的なことよりも、もっと重要な本質的なことがあります。

 

それは、信頼できる相手に依頼する、ということです。

実際に死後事務が行われるとき、当然のことながら、委任者は亡くなっています。

依頼した相手が契約のとおりに実行してくれたのかを確かめることはできないのです。

 

そのため、何よりもまず自分の信頼できる相手に依頼する、ということを心掛けてもらいたいと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

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死後事務委任契約2

前回お伝えした通り、死後事務委任契約は、自分が亡くなった後の諸手続や葬儀・埋葬等に関する事務(死後事務)を第三者に委託する契約です。

 

ある人が亡くなったあとの諸手続は、残された家族や親族が行うことが前提になっています。

葬儀を取り仕切ったり、埋葬の手配をしたり、借家の解約や引渡しをしたりといった死後事務は、誰かが自動的にやってくれるものではありません。

 

役所がなんとかしてくれる、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

役所は何もしてくれません。

仮に役所の担当者がとてもいい人で、何とかしてあげたいと思っていたとしても、法的権限がない限り、そもそも何かをすることはできないのです。

 

以前、テレビを見ていたら、身寄りのない方が亡くなった際、「銀行に預金を預けているので、死んだらそのお金を使って埋葬して欲しい」といった書置きが自宅で見つかったといった話が出てきました。

 

もし、このような書置きがあったとしても、役所が銀行に行って預金をおろすことはできません。

役所には、そのような法的権限がないからです。

 

亡くなったときに他人に迷惑をかけたくないという理由で、自分の葬儀費用を残しておく人は多いと聞きます。

しかし、ただ葬儀費用を残しておくだけでは、そのお金を目的通りに使用することはできませんし、自分の思い通りの終活を完了することもできません。

 

そのため、死後事務を家族や親族に頼むことができない場合や、思い通りの終活をしたい方は、死後事務委任契約を検討することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

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死後事務委任契約1

みなさんは、「死後事務委任契約」という言葉を聞いたことはありますか?

 

死後事務委任契約は、委任者が、第三者に対して、自分が亡くなった後の諸手続や葬儀・埋葬等に関する事務(死後事務)に関する代理権を付与して、処理を代行してもらうという内容の契約です。

 

通常、このような死後事務は、残された家族や親族が行っています。

もちろん行ってくれる家族や親族がいるのであれば、死後事務を委任する必要はありません。

そのため、現時点で死後事務委任契約を必要としている方はそう多くはないかもしれません。

 

しかし、一説によれば、2040年には65歳以上の単身世帯が2割を超えるとも言われています。

このようないわゆる「おひとりさま」が増えてくると、死後事務を家族や親族に頼むことは難しくなってくる可能性があります。

 

また、同様に、高齢の夫婦で身寄りがなかったり、親族と疎遠だったりする場合にも、死後事務を家族や親族に頼むことができないということが考えられます。

 

このような場合に備えて予め死後事務を代行してもらう契約、これが死後事務委任契約です。

 

今後は、死後事務を家族や親族に頼むことができない方も増えてくると思いますので、次回以降、死後事務委任契約の基本について話をしていきたいと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

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