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2016年8月の投稿

起業塾3:取締役って何人必要なの?

旧商法では、取締役は必ず3人以上必要とされていました(旧商法255条)。また、必ず取締役会を設置し、監査役も1人以上選任しなければならないとされていました。

 

これに対し、現行の会社法では、このような規制は撤廃されています。

すなわち、取締役は、1人以上であれば何人でもよく、取締役会の設置や監査役の選任も原則として自由です(会社法326条*1)。

 

ただし、取締役会を設置するためには、取締役を3人以上選任しなければなりません(会社法331条5項)。

また、公開会社等は、取締役会を設置しなければならない(会社法327条1項*2)、取締役会設置会社は、原則として監査役を選任しなければならない(会社法327条2項)といった制限があります。

 

なお、取締役会は、会社の業務執行の意思決定機関であり、この取締役会を設置する一番のメリットは、株主総会ではなく取締役会で決定すれば足りる事項が大幅に増加するという点にあります。

すなわち、逐一株主総会を招集して意思決定をしなければならないとすると、株主にとっても会社にとっても煩雑ですし、迅速な意思決定が阻害されてしまうため、会社にとって重要な事項を除き、取締役会の決議で業務執行が可能となります。

 

自社の状況をみて、取締役を何人選任するのか、取締役会、監査役を設置するのかといった機関設計をどのようにするのか、考えてみてください。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

会社法326条

1 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。

2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

 

*2

会社法327条1項

次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。

一 公開会社

二  監査役会設置会社

三  監査等委員会設置会社

四  指名委員会等設置会社

 

**本文とは直接関係がありませんが、以前、起業した会社名のメールアドレスを取得した方が、当該メールアドレスを記載した名刺等を作成した後に、メールアドレスの費用を振り込むのを忘れ、当該メールアドレスを取得できていなかったことが発覚した、ということがありました。あまりないとは思いますが、きちんと手続きが完了しているか、慎重に確認するようにしましょう。

***株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

 

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起業塾2:社名に注意!

起業する際、必ずしも会社等の法人を設立しなければならないわけではありません。

会社等の法人を設立せずに、個人事業主として、事業を展開することもできます。

この場合、基本的には、どのような名前を付けても構いません。

 

ただし、商標登録されている商標と同一または類似の名前や、商標登録されていなくても、著名または周知な他人の名称と同一または類似の名前を使用した場合、商標法違反や不正競争防止法違反となる可能性があります。

商標法違反や不正競争防止法違反となった場合、当該名前の使用差止請求や損害賠償請求を受けることがあります。

 

つぎに、会社等の法人の場合ですが、商標法および不正競争防止法に注意しなければならないのは、個人事業主の場合と同様です。

 

また、基本的には、どのような名前を付けても構いませんが、法律上、会社の名称に関する規制があります。

たとえば、会社法上、「会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。」(会社法6条2項)、「会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。」(同3項)とされています。

 

このように、社名一つにも、様々な法的規制があります。

 

自社の社名を使用し続けることができるのか、きちんと調査してから事業を始めることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

*本文とは直接関係がありませんが、以前、起業した会社名のメールアドレスを取得した方が、当該メールアドレスを記載した名刺等を作成した後に、メールアドレスの費用を振り込むのを忘れ、当該メールアドレスを取得できていなかったことが発覚した、ということがありました。あまりないとは思いますが、きちんと手続きが完了しているか、慎重に確認するようにしましょう。

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起業塾1:弁護士にいつ相談すればいいのか

最近、起業したての方から、いつ、どの段階で弁護士に相談したらよいのか、よく相談されます。

 

このことについては、様々な考え方があると思います。

ただ、私の答えは、可能な限り速やかに、です。むしろ、起業前に相談していただいてもよいと思っています。

 

近年、企業のコンプライアンス(法令順守)が重視されています。

会社の規模が拡大していくにつれて求められる程度は異なるとしても、起業当初であっても、最低限、当該事業が適法であることが必要です。

 

事業を長期間継続していくためには、会社の信用が重要であることは論を待ちませんが、信用というものは築くのには時間と労力がかかり、失うのは一瞬です。

そして、事業が違法であった場合、会社の信用は一瞬で失われ、これを取り戻すのは著しく困難です。

また、医者と同じで、事前の対策よりも、事後に対応をすると、結果的に大きな費用と労力を割かなければならなくなってしまいます。

 

そのような事態にならないよう、これからやろうとしている事業が適法なのか、ぜひきちんと相談してから、起業し、事業を始めることをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

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【雑感】出張講義に行ってきました!

先日(平成28年8月1日)、中央大学法学部(通信課)の講師として、名古屋へ出張講義に行ってきました。

入学したての方を対象に、朝9時半~夕方5時まで6時間、みっちりと(?)法律家としての基本的な考え方をお伝えしてきました。

 

さて、その中で、法解釈についての話をしました。

 

私たち法律家は、具体的事実を法律にあてはめ、結論を導きます。

一般的に法律は、一定の「要件」を満たすと、一定の「効果」が生じるという構造になっており、一定の法的効果が生じるための「要件」は、「条文」に規定されています。

 

しかし、必ずしも全ての「要件」が条文として記載されているわけではなく、また、条文の文言も一般的抽象的な文言とならざるを得ず、一義的かつ明確になっているわけではありません。

これは、すべての事象を個別具体的な条文として作成しようとすると、膨大な量となってしまい、現実的ではないからです。

 

そこで、一般的抽象的な「条文」の文言を解釈し、当該要件を明確にする必要がでてきます。

 

このように、法律を学ぶ上で、法解釈を避けて通ることはできませんし、実際に法律を扱ううえでも必要不可欠といえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。

 

 

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