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相続の基礎5

先週は、遺留分について、簡単にご紹介しましたが、このほか、特別受益や寄与分が問題となることも多いです。

 

特別受益とは、相続人のうちの1人が、被相続人から、遺贈や生前贈与などで特別の利益を受けた場合に、当該相続人の当該利益分について、遺産取得分が減額されるという制度です(民法903条*1)。

 

これまでお伝えしてきたとおり、遺言書等がない場合、原則として、法定相続人が法定相続分に応じて、被相続人の遺産を相続します。

しかし、相続人の中に、被相続人から高額な生前贈与を受けるなどによって特別に利益を得ていた人がいる場合にまで単純に法定相続分に従って相続することになると、相続人間で不公平が生じてしまいます。

 

そこで、民法では、このような特別受益がある相続人の遺産取得分を減らすことで、各相続人間の公平をはかっています。

 

ただ、どのような場合であれば、特別受益にあたるといえるのか必ずしも一概にはいえません。

 

つぎに、寄与分とは、相続人の中に、被相続人の財産の増加や維持に特別に貢献した人がいる場合に、当該相続人の遺産取得分を増額するという制度です(民法904条の2*2)。

 

寄与分も、各相続人間の公平をはかる制度ですが、特別受益同様、寄与分にあたるといえるのか必ずしも一概にはいえません。

 

このように相続に際しては、遺留分、特別受益や寄与分といった法的問題が生じる可能性があるので、きちんと専門家に相談することが重要といえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*1民法903条

「1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるとき は、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表 示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。」

 

*2民法904条の2

「1 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。」

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