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先週、テレワーク等の場合、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録することで対応することになるのが原則となるという話をしました。
これに対し、会社の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難なときは、事業場外労働に関するみなし労働時間制(労働基準法38条の2の1項*)が適用されることになります。
では、どのような場合に、会社の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難であるといえるのでしょうか。
この点について、厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では、つぎの内容が記載されています。
(1)情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと(情報通信機器を通じた使用者の指示に即応する義務がない状態であること)
(2)随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
以上の2つの要件を満たしていなければ、テレワーク等において、会社の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難とはいえない。
そのため、テレワーク等を実施した際に、事業場外労働に関するみなし労働時間制の適用を受けようとする場合は、上記要件を満たすように実施する必要がありますので、注意が必要です。
(弁護士 國安耕太)
* 労働基準法38条の2の1項
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。