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旧商法では、取締役は必ず3人以上必要とされていました(旧商法255条)。また、必ず取締役会を設置し、監査役も1人以上選任しなければならないとされていました。
これに対し、現行の会社法では、このような規制は撤廃されています。
すなわち、取締役は、1人以上であれば何人でもよく、取締役会の設置や監査役の選任も原則として自由です(会社法326条*1)。
ただし、取締役会を設置するためには、取締役を3人以上選任しなければなりません(会社法331条5項)。
また、公開会社等は、取締役会を設置しなければならない(会社法327条1項*2)、取締役会設置会社は、原則として監査役を選任しなければならない(会社法327条2項)といった制限があります。
なお、取締役会は、会社の業務執行の意思決定機関であり、この取締役会を設置する一番のメリットは、株主総会ではなく取締役会で決定すれば足りる事項が大幅に増加するという点にあります。
すなわち、逐一株主総会を招集して意思決定をしなければならないとすると、株主にとっても会社にとっても煩雑ですし、迅速な意思決定が阻害されてしまうため、会社にとって重要な事項を除き、取締役会の決議で業務執行が可能となります。
自社の状況をみて、取締役を何人選任するのか、取締役会、監査役を設置するのかといった機関設計をどのようにするのか、考えてみてください。
(弁護士 國安耕太)
*1
会社法326条
1 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。
*2
会社法327条1項
次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。
一 公開会社
二 監査役会設置会社
三 監査等委員会設置会社
四 指名委員会等設置会社
**本文とは直接関係がありませんが、以前、起業した会社名のメールアドレスを取得した方が、当該メールアドレスを記載した名刺等を作成した後に、メールアドレスの費用を振り込むのを忘れ、当該メールアドレスを取得できていなかったことが発覚した、ということがありました。あまりないとは思いますが、きちんと手続きが完了しているか、慎重に確認するようにしましょう。
***株式会社全国賃貸住宅新聞社発行の「家主と地主」から取材を受けました(8月号の30ページに掲載されています。)。