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前回に引き続き、著作権についてです。
著作権法上、著作者とは、著作物を創作する者をいい(著作権法2条1項2号)、著作者は、著作者人格権(著作権法18条1項、19条1項及び20条1項に規定する権利)および著作財産権(著作権法21条から28条までに規定する権利)を享有する(著作権法17条1項)とされています。
したがって、著作権者の許諾なく、著作物を利用する行為は、著作権侵害となるのが原則です(ただし、一定の場合には著作権者の許諾なく著作物を利用することができます。著作権法30条以下)。
そして、著作権は、複製権、上演権等の複数の権利の束(これらひとつひとつの権利を「支分権」といいます。)で構成されています。すなわち、各権利は、個別の独立した権利として存在しているということです。
たとえば、著作権者から、複製の許諾を得ていたとしても、ホームページにアップロード(送信可能化、自動公衆送信)するためには、別途その旨の許諾が必要となります。もし、ホームページにアップロード(送信可能化、自動公衆送信)するための許諾を得ていないのであれば、それは、著作権者の許諾なく、著作物を利用する行為となり、著作権侵害となってしまいます。
同様に、音楽の著作物について、演奏の許諾を得ても、その演奏を録音・録画するためには、別途複製について許諾が必要ということになります。
なお、支分権のうち、インターネット販売との関係で、最も問題となりやすいのは、㋐複製権(著作権法21条、2条1項15号)と㋑翻案権(著作権法27条)という2つの支分権です。
①既存の著作物と全く同一の作品を作出した場合や、②既存の著作物に修正増減を加えているが、その修正増減について創作性が認められない場合は、㋐複製権の侵害になり、③既存の著作物の修正増減に創作性が認められるが、原著作物の表現形式の本質的な特徴が失われるに至っていない場合は、㋑翻案権の侵害となります。
このため、他の販売サイトに記載されている商品説明をそのままコピーしたり、多少表現を変更しただけで使用することは、㋐複製権または㋑翻案権の侵害になる可能性が高いです。
したがって、このような行為は、極力避けるべきであるといえます。
(弁護士 國安耕太)
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定員:20名(1社2名様まで。定員になり次第締め切らせていただきます。受付にてお名刺2枚をご提出ください。)
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*席数に限りがありますので、参加をご希望の方は、お問い合わせください。
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第9回経営者勉強会
日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと著作権
参加費(昼食代):1500円
第10回経営者勉強会
日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)
参加費(昼食代):1500円
第11回経営者勉強会
日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと特定商取引法
参加費(昼食代):1500円