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さて、前回お伝えしたとおり、コンプライアンス体制を整備することは非常に重要ですが、コンプライアンス体制の整備をしていたとしても、それだけですべて解決するわけではありません。
上場会社をはじめ、多くの会社で、コンプライアンス体制の整備・強化を図るようになってきています。
ところが、そのような状況にもかかわらず、2018年に発覚したスルガ銀行の不正融資事件や、2019年に発覚したかんぽ生命保険の不適切販売事件など、不祥事が次々と発覚しています。
不祥事が起きた原因は、それぞれですが、不祥事事件に関する報告書等には、
「会社が利益追求主義に走るあまり、社員もまた目先の利益を追いかけ既得権益を守ることに躍起となり、それが体質化してしまった」
「組織の中に不正を監視し合い、指摘する風土がない」
「会社全体に倫理観の麻痺、社会常識の喪失がある」
「縦割組織におけるセクショナリズムやリスク意識の希薄さ」
といった原因分析が記載されています。
ただ、こういった問題を一気に解決する魔法の手段があるわけではありませんので、対処療法的、一過性の方策ではなく、常日頃から社員や役員に対しコンプライアンスの浸透を図ることが重要です。
行動規範集や社内規程など指針となる文書を時代に則した内容にして作り直したり、社員に対するコンプライアンス教育や、監査や内部通報のシステムの強化をしたりするなど対策を行うことを検討してください。
(弁護士 國安耕太)