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前回、社会貢献、会社の信用やブランド力の維持・向上等、さまざまな要素を勘案して、自社がコンプライアンスとして遵守すべき範囲を定めていく必要がある、という話をしました。
確かに、どこまでを範囲に含めるのかは、各会社が決めるべき事柄です。
しかし、一方で、必ず範囲に含めて、適切な対応をしなければならないものもあります。
その1つは、コンプライアンス体制の整備です。
人は、必ずしも正しい行動ばかりをとることができるわけではありません。
「これくらいならいいだろう」
「今回だけだから仕方ない」
と誘惑に負け、過ちを犯してしまう従業員がいるかもしれません。
また、
「黙っていれば、誰も気づかないだろう」
「正直に報告したら、怒られるので嫌だな」
と処分を恐れ、ミスを隠してしまう従業員がいないとも限りません。
もちろん、これらは従業員だけでなく、社長をはじめとした役員であっても同様で、誰にでも起こり得ることです。
このように、
「現実には必ずしも全ての従業員・役員が常に合理的な行動をとることができるわけではない」
という前提で、そのような過ちやミスが起こることを防ぐ仕組み、過ちやミスが発生した場合にこれを早期に発見するための仕組みを構築し、それを適正に運用しておく必要があります。
(弁護士 國安耕太)