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相続の基礎3

先週金曜日(平成30年2月23日)、「保険マンが身につけておけば必ずお客様が増えること」と題するセミナーで、講師を務めさせていただきました。

 

さて、その際にもお話したのですが、相続の対象となる財産が、不動産や株式なのか、現金や預貯金なのか、すなわち、当該財産が可分か、不可分かによって、その取扱いが大きく変わってきます。

 

まず、現金や預貯金は、基本的には可分なため、相続割合に基づいて分割して相続されます。

 

たとえば、妻と子ども2名が相続人である場合に、1000万円の現金があるとすると、妻が500万円、2名の子どもが250万円ずつ相続することになります。

 

他方、不動産は、現金や預金のような金銭債権と異なり、不可分ですから、相続持分に応じて分割して相続する、ということは基本的に出来ません。

そのため、各自の相続持分に応じて、一つの不動産を共有することになります。

具体的には、妻:子ども:子ども=4:1:1という割合で共有していることになります。

 

共有とは、非常に大雑把に言えば、複数の人が一つのものを一緒に持っている状態で、非常に不安定な状態です。

 

たとえば、共有物を変更・処分する場合は、共有者全員の同意が必要です(民法251条)。

また、共有物の使用・利用・改良行為等管理に関しては、「各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。」とされている(民法252条本文)など、その権利行使に制限が加えられています。

 

家族間で仲が良い場合はいいのですが、仲が悪い場合は、不動産の利用を巡って争いが生じる可能性があります。

また、仲が良いと思っていた家族であっても、遺産分割協議が紛糾してしまうことも珍しくありません。

 

このような事態を避けるため、事前に相続対策をしておく必要があるのです。

(弁護士 國安耕太)

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