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さて、先週まで、新しい相続対策として、民事信託制度の概要を見てきました。
委託者の意思能力に問題が生じた場合や、財産の承継者の順番を決めたい場合、承継させる財産の使用・処分を制限したい場合など、民事信託が有用な場面は多々あります。
しかし、民事信託とて万能の制度ではありません。
もっとも注意しなければならないのは、民事信託が、当事者を長期間拘束する制度である、ということです。
そのため、様々な場面を想定したうえで、適切に設定をしないと、かえって財産の承継に支障をきたしてしまう可能性があります。
民事信託は、あくまでもツールです。
場合によっては、遺言を利用した方が良い場合もありますし、一般社団法人を利用した方が良い場合もあります。
民事信託を使うことが目的ではなく、目的にあわせて、民事信託を含めた適切な制度を選択することが重要なのです。
ある程度の類型化は可能ですが、何が最適解なのかは、その家族ごと、そして、どのように財産を承継させたいと思うのかによって変わってきます。
ぜひご自身にとってベストの解決策を見つめていただければ幸いです。
(弁護士 國安耕太)