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損害賠償と不可抗力

先日(平成27年8月14日)、中華人民共和国の天津市で大規模な爆発があり、これを受けて現地に工場を有しているトヨタ自動車が3日間操業を停止する、との報道がありました*。

 

さて、このような事情で操業が停止し、約束の期日に商品を納入できなかった場合、商品を納入する側(上記では、トヨタ自動車)は、何らかの損害賠償責任を負うのでしょうか。

 

この点につき民法は、「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。」(415条1項)と定めています。

つまり、損害賠償義務が生じるのは、あくまでも、債務者が、「その債務の本旨に従った履行をしないとき」に限定されます。

そのため、債務者が履行をしたくてもできないとき、いわゆる不可抗力の場合は、損害賠償責任を負いません。

 

そして、大規模な爆発によって、操業停止に追い込まれたという事情は、この不可抗力にあたるといえます。

したがって、商品を納入する側(上記では、トヨタ自動車)は、損害賠償責任を負わない、ということになるでしょう。

 

これに対し、金銭債務の場合、民法上「債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。」(419条3項)とされていますので、注意が必要です。

 

なお、契約書の中には、通常不可抗力とはいえないストライキや輸送機関の事故を不可抗力に含めていることがあります。

自身が、商品を納入する側であれば、有利な規定ですが、商品を購入する側の場合、不利な規定となります。

 

契約書を作成・締結するにあたっては、条項の意味・内容に十分注意するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

* http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150816-00050050-yom-bus_all

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