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従業員の退職後の秘密保持義務

先日、某家電量販大手の元幹部社員が、退職して競合他社に再就職後、退職前の会社の事業に関する情報を不正に取得したとして、不正競争防止法違反で逮捕されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00050083-yom-soci

 

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保することを目的とする法律で、様々な行為を「不正競争」行為として規制をしていますが、本件は、このうち営業秘密の不正取得行為が問題とされています。

ここで、不正取得行為は、不正競争防止法上「窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為」と定義されています(同法2条1項4号)。

そのため、単に転職後に、転職前に得た情報を利用しただけでは、不正競争防止法には違反しません。

 

ただし、「労働者が雇用関係中に知りえた業務上の秘密を不当に利用してはならないという義務は、不正競争防止法の規定及びその趣旨並びに信義則の観点からしても、雇用関係の終了後にも残存する」(仙台地判平成7.12.22、判タ929-237)というのが、通説的な見解です。

したがって、必ずしも転職前に得た情報を自由に利用できるわけではありませんので、注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

 

 

 

 

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