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すでにニュース等になっていますが、昨日(平成26年10月23日)、妊娠による降格に関し、最高高裁判決が出されました。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/577/084577_hanrei.pdf
判決の枠組みはつぎのとおりです。
①女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として違法
⇒
「一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ、上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば、女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として同項の禁止する取扱いに当たる」
②例外的に、㋐当該労働者が、真に降格を承諾したとき、および㋑特段の事情が存在するときは、例外的に適法
⇒
㋐「当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度、上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして、当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき」
㋑「事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務 への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして、上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するとき」
は、同項の禁止する取扱いに当たらない
今後、様々な方が、詳細な分析をされると思いますが、妊娠による降格を原則として無効とし、例外的に有効となる一般的な基準を示した点で、非常に大きな意義を有する判決であるといえます。
みなさまの会社におかれましても、これを機に社内の人事規定について見直しをしてみることをお勧めいたします。
(弁護士 國安耕太)