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妊娠による降格の可否(続報)

昨年10月(平成26年10月23日)、妊娠による降格に関し、最高裁判決が出されました。

 

詳細は、過去ブログ(https://north-blue-law.com/blog-child/%e5%a6%8a%e5%a8%a0%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e9%99%8d%e6%a0%bc%e3%81%ae%e5%8f%af%e5%90%a6/)をご覧いただければと思いますが、同判決は、妊娠による降格を原則として無効とし、例外的に有効となる一般的な基準を示した点で、非常に大きな意義を有する判決でした。

そして、今般、同判決を受けて、厚生労働省が、妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達(平成27年1月23日付け)を発出しています(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou

_roudou/koyoukintou/danjokintou/index.html)。

 

厚生労働省の発表によれば、上記解釈通達は、同判決に沿って、妊娠・出産、育児休業等を「契機として」なされた不利益取扱いは、原則として法が禁止する妊娠・出産、育児休業等を「理由として」行った不利益取扱いと解されるということを明確化したものとされています。

 

また、例外的に、不利益取扱いにあたらない場合も明記されています。

例外1:①円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、②その業務上の必要性の内容や程度が、法第九条第三項の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在すると認められるとき

例外2:①契機とした事由又は当該取扱いにより受ける有利な影響が存在し、かつ、当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、
②当該事由及び当該取扱いにより受ける有利な影響の内容や程度が当該取扱いにより受ける不利な影響の内容や程度を上回り、当該取扱いについて事業主から労働者に対して適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれば当該取扱いについて同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき

 

ポイントは、

・業務上の必要性から不利益取扱いを行わざるを得ないこと、および不利益取扱いをすべき特段の事情が存すること(例外1)

・労働者が不利益取扱いに同意していること、および当該同意に、合理的な理由が客観的に存在すること(例外2)

です。

 

今後は、上記基準を十分に理解し、考慮したうえで、人事規定を運用するようにしてください。

(弁護士 國安耕太)

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