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大家さんのための建物賃貸借入門7

さて、前回、賃貸借契約は、当事者の一方がその信頼関係を破壊するような背信的な行為をした場合にのみ、解除ができるという話をしました。

 

このため、建物の賃貸借契約は容易に解除できないのですが、比較的契約の解除が認められやすい類型が2つあります。

 

それは、(1)用法違反の場合と、(2)無断譲渡・転貸の場合です。

 

建物の賃貸借契約においては、契約締結時にその使用目的・方法を定めることが通常です*1。

そして、賃借人は、この使用目的・方法を遵守しなければなりません(民法616条・594条1項*2。用法遵守義務)。

 

用法遵守義務に違反した場合、たとえば、居住目的の賃貸した建物を工場として使用する場合などは、使用目的・方法が著しく異なっていますから、信頼関係を破壊するような背信的な行為であることは明らかでしょう。

 

また、無断譲渡・転貸は、民法上、契約の解除ができる旨が規定されています(612条2項*3)。

このため、無断譲渡・転貸の場合、原則解除が可能であり、例外的に信頼関係が破壊されない特段の事情があるときに限り、解除が制限されると考えるべきといえます。

 

以上から、(1)用法違反の場合と、(2)無断譲渡・転貸の場合は、比較的契約の解除が認められやすいのです。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

仮に定めていない場合であっても、建物の性質等から使用目的・方法はある程度は定まることが多いと思われます。

 

*2 民法594条1項

借主は、契約またはその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用および収益をしなければならない。

 

*3 民法612条

1 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができない。

2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用または収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

 

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