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最近、主として残業代(割増賃金)請求対策として、固定残業代制度を設けている会社があります。
たとえば、①基本給の中に一定時間数の残業代を含むとしていたり、②一定時間数の残業代に相当する一定の金額を手当で支給する、といった制度を定めている場合です。
当然ですが、このような固定残業代制度を就業規則等で設けること自体は、適法です。
しかし、適切な規程の仕方をしていないと、後に裁判になった際に、残業代を含んでいるとはいえない(①の場合)とされたり、当該手当は残業代の支払いとはいえない(②の場合)とされ、残業代として支払われていると認められない可能性があります。
具体的な制度設計としては、㋐残業代として支払うことが明確にされており、㋑基本給にあたる部分と残業代にあたる部分とが明確に区別できていることが重要です。
また、固定残業代制度は、あくまでも一定時間数の残業代を含んでいるだけですから、当該一定時間数を超えた場合は、超えた分の残業代を支払う必要があります。
当該一定時間数を超えているにもかかわらず、超えた分の残業代が支払われていない場合、残業代として支払われていると認められない可能性があります。
このように、固定残業代制度を設ける場合には、その規程の仕方に十分注意する必要があります。
固定残業代制度を設ける場合は、ぜひ一度弁護士、社会保険労務士等の専門家に相談してみることをお勧めします。
(弁護士 國安耕太)