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平成25年の統計では、1年間に、賃金手当等に関する紛争(主に未払残業代請求)は、労働審判1456件、民事訴訟1929件の合計3385件が申し立てられています。
ちなみに、一般的に未払残業代請求と言われていますが、法律上「残業代」という概念は存在しません。
ご存知でしたか?
実は、法律上は、「割増賃金」という概念が存在しているだけなのです。
割増賃金については、労働基準法37条1項が規定しています。
(労働基準法37条1項)
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
一読しただけでは、よくわからないかもしれませんが、ここで重要なのは、「労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては・・・割増賃金を支払わなければならない」とされていることです。
つまり、割増賃金は、いわゆる残業の場合のほか、所定の労働時間を勤務時間前に延長した場合に支払義務が生じる、すなわち、残業の場合のほか、早出の場合や、休日労働の場合にも支払義務が生じるということになります。
このように、一般的に、残業代請求と呼ばれているものには、早出の場合や、休日労働の場合も含まれており、法律上は、「割増賃金」の請求、ということになります。
(弁護士 國安耕太)