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さて、前回まで、「裁判となった場合に備えて、きちんとした証拠(契約書)を準備しておくこと」が重要であるという話をしました。
しかし、取引である以上、どんなに事前に調査していたとしても、取引先とのトラブルが発生してしまうことはありえますし、取引先の財務状況が悪化してしまうことはあり得ます。
この場合、どんなに立派な契約書があったとしても、契約書があるだけでは回収できない、という可能性があります。
そこで、そのような事態に備えて、担保(物的、人的)をあらかじめ取っておくことが重要です。
担保があれば、取引先が支払えなくなったとしても、売掛金等の債権を回収できる可能性が出てきます。
なお、担保の優先順位としては、物⇒代表者以外⇒代表者、です。
不動産に対する抵当権のような物的担保は、会社が破産してしまってもその効力を主張することができます。
しかし、会社代表者を保証人した場合、中小企業の場合、会社が支払不能となったときには、代表者も支払不能になっていることが多く、会社とともに代表者が破産することになってしまったら、担保としての効力が亡くなってしまうからです。
そのため、会社の代表者を保証人とすることは、担保としては最低限の効果しかなく、あまり効果的なものではないのです。
(弁護士 國安耕太)