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さて、前回、債権回収におけるリスクの管理として重要なことは、
「取引開始前に、信用できる取引先か入念にチェックすること」、すなわち
「将来にわたって相手方のことを信用できるかをきちんと検討すること」、それも
「抽象的な理由ではなく、具体的な根拠に基づいて、信用できるかをきちんと判断するようにすること」
である、ということを述べました。
では、どうやって、具体的な根拠に基づいて、将来にわたって相手方のことを信用できるか、を検討すればよいのでしょうか。
まず、ぜひ最初にやっていただきたいことは、取引を始める前に、できるだけ相手方の情報を手に入れて、分析をしておく、ということです。
出来れば直近2年分の決算書の写しをもらって、貸借対照表から資金の調達と運用の状態を分析し、損益計算書から、費用・成果・利益の状況を分析したいところです。
もっとも、そうはいっても、相手方が自社よりも大きい会社の場合、なかなか決算書の写しが欲しいということが難しい場合もあると思います。
そのような場合は、調査会社の調査報告書を活用するということも考えられます。
いずれにしても、会社間の事業としての取引である以上、相手方の財務状況を客観的な資料に基づいてきちんと分析しておきましょう。
(弁護士 國安耕太)