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前回、経営者が陥ってしまっている3つの落とし穴の1つを紹介しました。
今回は、2つ目の落とし穴を紹介したいと思います。
たとえば、Aさんと、商品を30万円で売却する約束をし、商品を引き渡したとします。
Aさんが、支払期日までに支払ってくれない場合、請求書を送ったり、内容証明郵便を送ってみたりして、それでも支払ってくれない場合は、最終的には、諦めるか裁判をする、ということになります。
では、裁判所は、この請求を必ず認めてくれるのでしょうか。
30万円の商品を引き渡している以上、認めてくれるのでしょうか。
結論としては、証拠があれば、請求を認めてくれますが、証拠がなければ、認めてくれません。
裁判所は、正しい側を勝たせる機関ではありません。
また、真実を探求してくれる機関でもありません。
あくまでも、当事者の提出した証拠に基づいて、どちらの主張が確からしいか、を判断する機関にすぎません。
当事者の提出した証拠のみで、請求が認められるかどうかが決まります。
そこに情けはありません。
いくら真実30万円の商品を引き渡していたとしても、裁判所が自ら、その真実を探求し、真実を明らかにしてくれる、なんてことは、絶対にないのです。
それゆえ、②裁判所は、正しい人(会社)の味方であるという幻想は捨てなければなりません。
(弁護士 國安耕太)