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つぎに不動産の登記事項証明書です。
不動産の登記事項証明書には、権利部(甲区)という記載があります。
「権利部(甲区)」には当該不動産の所有権に関する事項が記録されています。
たとえば、甲区欄に取引先ではなく、第三者の名前が記載されている場合には、取引先は不動産の賃貸を受けており、不動産資産を保有していないことを把握することができます。
また、甲区欄に取引先の名前があったとしても、国税や他の債権者の差押えが登記されているようなときは、税金や他の債権者に対し、支払いができないほどに資金繰りに行き詰まっていることが分かります。
したがって、そのような会社と取引をしても支払を受けられる見込みは薄いですから、その会社との取引は断念すべきといえます。
同様に、代表取締役の自宅に差押えがなされているような場合も、取引先として信用できるか、かなり疑問があるといえます。
このほかにも、不動産の登記事項証明書から読み取ることができる情報はいくつもあります。
取引開始前には、不動産の登記事項証明書を取得し、分析しておくことを強くお勧めします。
(弁護士 國安耕太)