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このほか、法人や不動産の登記事項証明書を読み解くことで、貴重な情報を得られる可能性もあります。
まず、法人の登記事項証明書であれば、商号変更の履歴を見るだけで、重要な情報が得られることもあります。
たとえば、商号が頻繁に変更されているような会社は、会社が乗っ取られたり、支配権を巡って争いがあったりする可能性があるので、要注意です。
過去ご相談いただいた案件でも、現在の商号をインターネットで検索しても何も出てこなかったが、過去の商号で検索を掛けてみたら、詐欺会社として数多くの書き込みが見付かった、ということもありました。
また、本店の記載からも重要な情報が得られることがあります。
たとえば、本店が頻繁に移転している場合には、その理由について説明を求めた方がよいでしょう。
もちろん、世の中には引越マニアと呼ばれる人もいますので、頻繁に移転しているだけで危ない会社ということが確定するわけではありません。
また、会社が急激な成長を続けて短期間に引っ越しを繰り返しているというような特別な事情があることもあります。
しかし、一般的には、引越には相当の労力と手間がかかりますので、特別な事情がないにもかかわらず、頻繁に移転しているのは、移転しなければならないようなマイナスな事情が隠されている可能性があります。
特に商号変更と共に本店移転を繰り返している場合は、かなり「あやしい」といえます。
このほかにも、法人の登記事項証明書から読み取ることができる情報はいくつもあります。
取引開始前には、相手方の会社の登記事項証明書を取得し、分析しておくことを強くお勧めします。
(弁護士 國安耕太)