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企業の倒産処理手続7(会社更生手続1)

前回まで、「法的整理かつ再建型」の代表的な手続である民事再生手続について解説してきました。

今回は、民事再生手続と同じ「法的整理かつ再建型」の手続である会社更生手続について、民事再生手続と比較しつつ、解説します。

 

会社更生手続とは、倒産またはそれに近い状態にある株式会社について、裁判所に選任された管財人に財産の管理処分権を付与し、更生債権者や更生担保権者等の多数の同意により可決された更生計画に基づいて、事業の再生を図る手続です。

本年(令和3年)3月24日、電力の小売り事業を行ういわゆる「新電力」の株式会社F-Powerが、この会社更生法の適用を東京地方裁判所に申請し受理されたと話題になったことをご存知の方もいらっしゃると思います*。

 

さて、民事再生手続と会社更生手続は、立案された計画に従って、債権者に弁済を行い、企業を再生させる手続である点では共通しており、同じ「法的整理かつ再建型」に分類されます。

 

他方で、根拠法令、手続の対象等において、違いがあります。

 

まず、民事再生手続の根拠が、民事再生法であるのに対し、会社更生手続の根拠は、会社更生法にあり、また、民事再生手続では、個人のほか、どのような法人でも対象となるのに対し、会社更生手続では、株式会社のみが対象となるという相違点があります。

 

つぎに、手続の開始原因については、両手続の開始原因が、(1)破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるときおよび(2)事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときであり、共通しています(民事再生法21条1項、会社更生法17条1項)。

 

これに対し、手続開始を申立てることができる者(申立人)の範囲は、異なっています。

民事再生手続では、債権者は、その債権額に関わりなく、手続開始を申立てることができます(民事再生法21条2項)。

一方、会社更生手続では、債権者のうち、当該株式会社の資本金の額の10分の1以上の金額の債権を有する者のみ、手続開始を申立てることができます。(会社更生法17条2項1号)。

また、民事再生手続では、株主が手続開始を申立てることはできませんが、会社更生手続では、総株主の議決権の10分の1以上を有する株主であれば、手続開始を申立てることができます(会社更生法17条2項2号)。

なお、企業(債務者)が、申立てることができることは共通しています。

 

次回も、引き続き、民事再生手続と会社更生手続の違いについて解説していきます。

(弁護士 國安耕太)

 

*

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210325/k10012935141000.html

 

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