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企業の倒産処理手続4(特別清算手続2)

前回お伝えしたとおり、破産手続と特別清算手続は、同じ「法的整理かつ清算型」に分類されますが、根拠法令、手続の対象、手続開始の原因等において違いがあります。

 

まず、破産手続の根拠が、破産法にあるのに対し、特別清算手続の根拠は、会社法です。

 

つぎに、破産手続が、個人・法人問わず、どのような法人でも対象となるのに対し、特別清算手続は、原則として解散後清算中の株式会社のみが対象となります。

 

また、破産手続では、債務超過が手続の開始原因とされていますが、特別清算手続では債務超過の疑いがあれば、手続の開始原因と認められます(会社法510条)*1。

特別清算手続において、破産手続よりも緩やかに、手続開始の原因が認められているのは、既に解散し、清算手続に入っている株式会社を対象としていることに基づきます。

 

なお、両手続ともに、債権者は、手続開始を申立てることができます。

他方で、破産手続では、債務者(会社)自身*2や取締役個人が申立てをすることができるのに対し、特別清算手続では、できません(ただし、清算人や監査役、株主が申立てできます。会社法511条1項)。

 

さらに、手続開始後、破産手続では、裁判所によって必ず破産管財人が選任され、財産の管理処分権を委ねられた破産管財人が清算事務を行うことになります。

他方で、特別清算手続では、原則として従来からの清算人が清算事務を行うことになります(会社法523条)。

 

もちろん、清算人は、自由に清算事務を行えるものではなく、債権者及び清算株式会社、株主に対する公平かつ誠実に清算事務を行う義務が課されています。

 

最後に、弁済についてです。

破産手続は、破産企業の財産が金銭化され、法律の定めに従って、債権者に配当されるという厳格な手続です。

 

これに対して、特別清算手続では、債権者の多数決によって定められる協定(会社法563条以下)に基づいて弁済します。

原則として債権者を平等に取り扱う必要がありますが、不利益を受ける債権者の同意がある場合や債権者間の衡平を害さない内容であれば、ある程度自由に協定の内容を定めることもできるなど(会社法565条)、破産手続に比べると、柔軟な対応が可能です。

 

破産手続 特別清算手続
根拠法 破産法 会社法
手続の対象 原則限定なし 解散後清算中の株式会社等
手続開始の原因 債務超過・支払不能 債務超過の疑いなど
手続開始の申立人 債権者・債務者・取締役 債権者・清算人・監査役・株主
清算事務を行う者 破産管財人 清算人
弁済の手続 法律の定めに基づく配当 債権者の多数決による協定

さて、これまで「法的整理かつ清算型」の手続を解説してきましたが、次回は、「法的整理かつ再建型」の代表的な手続である民事再生手続について解説したいと思います。

(弁護士 國安耕太)

*1

清算の遂行に著しい支障を来すべき事情がある場合にも手続開始の原因が認められるが、他方、支払不能は、手続開始の原因とされていない(会社法510条1号)。

 

*2

代表取締役が、取締役会の決議を得て、株式会社の名前で申立てることになる。

 

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