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企業の倒産処理手続11(私的整理3)

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企業の倒産処理手続10(私的整理2)

前回は、準則型ではない私的整理の一般的な流れについて解説しましたが、今回は、準則型の私的整理についてです。

 

準則型の私的整理は、一定のルールに基づく私的整理です。準則型の私的整理は、企業の再建が目的であり、清算を目的としていません。

 

準則型の私的整理の代表的なものとしては、私的整理に関するガイドライン(以下「ガイドライン」といいます。)によるものや中小企業再生支援協議会による再生支援事業によるものなど*1があります。

 

まず、ガイドラインによる私的整理についてです。

 

ガイドラインによる私的整理は、会社更生法や民事再生法などの手続によらずに、債権者と債務者の合意に基づき、債務(主として金融債務)について猶予・減免などをすることにより、経営困難な状況にある企業の再建を図るものです。

 

ガイドラインでは、おおよそつぎの流れで手続きが進んでいきます。

 

(1)債務者である企業が、主要債権者(主にメインバンク)に対して、ガイドラインによる私的整理を申し出たうえで、主要債権者が、企業の作成した再建計画案の実行可能性などを検討し、私的整理を進めるのが相当か判断します。

 

(2)相当と判断したときは、主要債権者と企業が連名で、一時停止通知*2を発し、これにより手続きが開始されます。

 

(3)手続開始から2週間以内に、同じく企業と主要債権者の連名で、第1回債権者会議に対象債権者を招集し、企業の財務内容や再建計画案の内容等の説明、意見の交換が行われ、再建計画案の実行可能性や企業の財務内容を調査検証する専門家の必要性を検討し、必要な場合には選任が行われます。

 

(4)第2回債権者会議では、第1回債権者会議後の調査結果の説明、意見交換が行われた上で、再建計画案についての同意期限が定められ、期限までに対象債権者全員の同意が得られれば、再建計画が実行されます*3。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

他には、主に大規模な企業に関し、国から認証を受けた中立的な第三者機関が関与する「事業再生ADR」や、コロナなどの自然災害によって生活や事業が成り立たなくなった個人(個人事業主を含む)に関し、中立的な専門家が関与して私的整理を行う「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」、整理回収機構が関与する「企業再生スキーム」などもあります。

 

*2

一時停止通知は、再建計画が成立した場合に権利変更されることになる対象債権者(主に銀行と大口の取引先)に対して、個別的な権利行使等を控えるように求める通知のことです。

 

*3

全員の同意が得られない場合、通常は、法的整理に移行することになります。

 

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