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さて、今回は、インターネット上の名誉棄損の加害者に対し、各種請求等を行いたいにもかかわらず、加害者が誰かわからない、という場合に、どのような手続きを取れば、加害者を特定できるのでしょうか。
まず、最初に、インターネットを利用する一般的な仕組みを簡単に説明します。
(a)加害者の利用したパソコン・スマホ
↓
(b)インターネットの接続窓口であるISP*1(NTTドコモなど)のサーバーに接続
↓
(c)SNSや動画サイトを提供するコンテンツプロバイダ*2のサーバーに接続、という流れになります。
そこで、加害者を特定するためには、この流れをさかのぼっていく必要がある、ということになります。
まず、(α)書き込みを見て、書き込みがされたSNSや動画サイトのコンテンツプロバイダがどれかを確認します。
つぎに、(β)コンテンツプロバイダに対し、加害者が利用したISPを特定するために必要な情報であるIPアドレス等の開示を求めます。
そして、明らかになったIPアドレス等を基に、(γ)加害者の利用したISPを特定した上で、そのISPに加害者が誰かであるかの情報の開示を求めていきます。
以上のように、加害者を明らかにするには、(β)コンテンツプロバイダに対し、加害者の利用していたIPアドレス等の開示を求め、その情報を得た上で、(γ)加害者の利用していたISPから情報を得て加害者を明らかにする、という2つの段階を踏む必要があります。
次回は、この1段階目の手続である、(β)コンテンツプロバイダに対し、加害者の利用していたIPアドレス等の開示を求め、その情報を得るための具体的な方法や要件について、詳しく見ていきます。
*1 ISPは、インターネットサービスプロバイダの略称であり、「インターネット通信に接続するサービスを提供している主体」のことです。一般にプロバイダーと呼ばれます。代表的な企業としてはNTTドコモやソフトバンクなどがあります。
*2 コンテンツプロバイダとは、「コンテンツを提供する事業者」のことであり、SNSや動画サイト、ショッピングサイトなどが、代表例です。