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先日(平成27年8月21日)、某コンビニエンスストアがおでんの具材を使って、オリンピックエンブレムの形をしたPOPを作ったところ、東京オリンピック組織委員会から、使用を控えるよう伝えられたとの記事が公開されていました*1*2。
実は、日本法においては、パロディであるということを理由に特別な取扱いがされる、との構成はとられていません。
たとえば、著作権との関係では、創作物(上記でいえば、おでんのPOP)が著作物(上記でいえば、オリンピックエンブレム)の複製または翻案といえるかどうか、という観点から著作権侵害の有無が判断されます。
また、商標法との関係でも、創作物である当該標章が登録商標と同一または類似といえるか、指定商品等と同一または類似といえるか、という観点から商標権侵害の有無が判断されます。
これらの判断において、パロディであるかどうか、ということは一切考慮されず、ただ純粋に、侵害の要件に該当するかどうかが検討されます。
このように、パロディであるからといって、著作権法や商標法の規制を免れることはできませんので、注意が必要です。
なお、オリンピック憲章では、オリンピックのシンボル、旗、モットー、讃歌、特定できる言葉、連想させる映像・音声、マーク、聖火、トーチに関するあらゆる権利、およびそれらを使用する全ての権利は、独占的に、国際オリンピック委員会(IOC)に帰属する旨規定されています(オリンピック憲章7.4*3)。
そのため、東京オリンピック組織委員会としても、おでんの具の形、配置がエンブレムと同様であり、エンブレムを想起しうるものである以上、承諾できなかったのでしょう。
デザインを利用する際は、知的財産権に十分注意する必要にしてください。
(弁護士 國安耕太)
*1
http://rocketnews24.com/2015/08/20/622430/
*2
http://blogos.com/article/129562/
*3
http://tokyo2020.jp/jp/marketing/protection/pdf/brand_protection_JP.pdf