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感染症と労務管理5

さて、先週、会社が、新型コロナに関する感染防止策を怠っていた場合、安全配慮義務違反を問われる可能性がある、という話をしました。

 

では、会社が新型コロナに関する感染防止策を実施していたにもかかわらず、従業員が新型コロナに罹患してしまった場合、当該従業員は何の補償も受けられないのでしょうか。

 

まず、考えられるのは、労災保険に基づく補償です。

 

新型コロナに罹患したことが労災保険給付の対象となるのかについて厚生労働省は、「業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。」としています(新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)5労災補償 問1)。

 

では、つぎに、どのような場合であれば「業務に起因して感染したものである」とされるのでしょうか。

 

この点に関し、令和2年2月3日に出された厚生労働省の基補発0203第1号「新型コロナウイルス感染症に係る労災補償業務の留意点について」との通達では、

(1)業務または通勤における感染機会や感染経路が明確に特定され、

(2)感染から発症までの潜伏期間や症状等に医学的な矛盾がなく、

(3)業務以外の感染源や感染機会が認められない場合

に該当するか否か等について個別の事案ごとに判断するとされています。

 

そのうえで、「接客などの対人業務において、新型コロナウイルスの感染者等と濃厚接触し、業務以外に感染者等との接触や感染機会が認められず発症」したような場合は、「業務上と考えられる」旨記載されています。

 

このことからすれば、上記(1)ないし(3)の要件を満たしているような場合には、「業務に起因して感染したものである」と認められる可能性が高いといえるでしょう。

(弁護士 國安耕太)

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