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平成29年度上半期最高裁判例ダイジェスト①

平成29年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決を今週から4週連続で、紹介していこうと思います。

 

初めの最高裁判決は、平成29年1月31日に出された養子縁組無効確認請求事件(平成28(受)第1255号)です。

 

この事案は、A、X1、X2という3人の子供がいる甲が、Aの子どもであるY(甲からみれば孫。X1およびX2からみれば甥)と養子縁組をしたところ、X1およびX2が、本件養子縁組は、専ら相続税の節税のために行われたものであって、縁組をする意思を欠くものであると主張して、その無効確認を求めた事案です。

 

原審は、本件養子縁組は専ら相続税の節税のためにされたものであるとした上で、かかる場合は民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとして、X1らの請求を認容しました。

 

これに対し、最高裁は、

「養子縁組は、嫡出親子関係を創設するものであり、養子は養親の相続人となるところ、養子縁組をすることによる相続税の節税効果は、相続人の数が増加することに伴い、遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。」

とし、

「専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。」

と判示しました*。

 

これまで実務で行われていた相続税の節税のために養子縁組をし、節税効果を発生させるというスキームが適法であることを追認するものにすぎませんが、適法であることが明確になったことで、今後このスキームを利用しようとするケースが増えてくるかもしれません。

ただ、養子縁組の効果は、相続税の節税にとどまらないため、きちんと専門家に相談し、そのメリット、デメリットを検討することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/480/086480_hanrei.pdf

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法等(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

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