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企業の倒産処理手続5(民事再生手続1)

これまで「法的整理かつ清算型」の手続について解説してきました。

今回は「法的整理かつ再建型」の代表的な手続である民事再生手続について、破産手続と比較しつつ解説していきます。

 

民事再生手続とは、倒産またはそれに近い状態にある企業(債務者)が、原則、業務の遂行および財産の管理処分を継続しながら、再生計画を立案し、債権者の多数の同意により可決された再生計画に基づいて、事業や経済生活の再生を図る手続です。

 

民事再生手続と破産手続は、裁判所が継続的に関与する手続である点は共通しており、その点で、両手続は同じ「法的整理」に分類されます。

他方、破産手続では、企業の解体を目的としている「清算型」の手続であったのに対し、民事再生手続では、企業の再生を目的としている「再建型」の手続であることから、様々な違いがあります。

 

まず、当然のことですが、根拠法令が異なります。

破産手続の根拠が、破産法にあるのに対し、民事再生手続の根拠は、民事再生法にあります。

 

つぎに、手続きの開始原因にも違いがあります。

破産手続では、支払不能*1である場合か債務超過*2である場合に手続が開始されましたが、民事再生手続では、破産手続の開始原因となる支払不能または債務超過を生じる「おそれ」がある段階で、手続が開始されます(民事再生法21条1項前段)。

これは、企業の再生を図るには、支払不能や債務超過に至る前に、手続を開始し、手を打つ必要があるためです。

また、この企業の再生を図るという目的から、支払不能または債務超過のおそれがなくても、「債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」にも手続きを開始することができます(民事再生法21条1項後段)。

 

なお、両手続ともに、債権者および債務者(企業自身)が手続開始を申立てることができます。

他方で、破産手続では、取締役個人が申立てをすることができるのに対し、民事再生手続では、できません。

 

次回も、引き続き、破産手続と民事再生手続の違いについて解説していきます。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(破産法2条11項)

 

*2

その債務につき、その財産をもって完済することができない状態(破産法16条)

 

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