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企業の倒産処理手続3(特別清算手続1)

前回は最も代表的な倒産処理手続である破産手続について、解説しました。
今回は破産手続と同じく「法的整理かつ清算型」の手続である特別清算手続について、破産手続と比較しつつ解説していきます。

 

特別清算手続とは、裁判所の後見的な監督の下、清算人が解散後清算中の株式会社等*を消滅させるための手続です。

会社を閉鎖しようと思った場合、会社を解散することになりますが、実は、これだけでは会社は消滅しません。
会社を消滅させるためには、清算(現務の結了、債権の取立ておよび債務の弁済、残余財産の分配。会社法481条)を完了しなければなりません。
このとき、会社の財産で、すべての債務の弁済ができる場合は、債務の弁済をし、残余財産を株主に分配して、清算手続は完了します(通常清算)。

 

これに対し、会社の財産で、すべての債務の弁済ができない場合であっても、裁判所の監督の下、債務の処理方法について債権者と集団的に和解するために作成された協定を、債権者が多数決で可決し、清算中の会社がこの協定を実行したときは、清算手続は完了します。
これが特別清算手続です。

あくまでも、協定が債権者の多数決で可決され、協定が実行される必要があるので、多数決で可決される見込みのない場合や協定が実行される見込みのない場合は、破産手続に移行することになります(会社法574条)。

 

破産手続と特別清算手続は、破産管財人または特別清算人が、裁判所の関与の下、会社の財産を処分して、これによって得た金銭を債権者に弁済する手続である点は共通しており、同じ「法的整理かつ清算型」に分類されます。

他方で、根拠法令、手続の対象、手続開始の原因等において違いがあります。

次回は、この違いについて、解説していきます。
(弁護士 國安耕太)

*
例えば、保険業法によって、相互会社にも特別清算手続の規定が準用され、相互会社も特別清算手続の対象となる(保険業法184条)。

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