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交通事故をめぐる法律関係6 過失相殺

第6回のテーマは、過失相殺です。

 

交通事故の場合において、被害者に事故の発生や損害の拡大に落ち度がある場合に損害賠償額が減額されることがあります。

これを「過失相殺」といいます。

 

例えば、歩行者が、横断歩道が付近に存在するにもかかわらず、あえて横断歩道外を歩行して交通事故が発生した場合、被害者の過失として基本的には25パーセント程度の過失相殺がなされます。

 

どの程度の過失相殺をするのかは、訴訟においては、最終的には裁判官の裁量に任せられることになりますが、一般的には、東京地裁民事交通訴訟研究会編「交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂四版」(別冊判例タイムズ16号)に掲載されている過失相殺の基準を利用します。

 

ただし、現実に発生する交通事故は千差万別ですので、基準のうちのどの類型を適用すべきであるのかについては、交渉や訴訟においても争いになることが多々あります。

 

また、被害者本人に過失がなくても、被害者と身分上、生活関係上一体の関係にある者の過失が存在する場合には、「被害者側の過失」として、被害者本人の過失と同視して過失相殺をすることがあります。

 

例えば、夫が妻を同乗させて運転していて交通事故を起こした場合、夫と第三者の双方に過失があるときには、妻の第三者に対する損害賠償請求においては、夫の過失を「被害者側の過失」として斟酌し、過失相殺をして損害額を決めることになります。

 

次回は、「自賠責保険」についてご紹介します。

(弁護士 松村 彩)

 

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