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【雑感】素手で外野ノックを行い、怪我をさせた場合に傷害罪が成立するか。

先日(平成28年6月1日)、標記の件について、弁護士ドットコムの取材を受けました。

 

https://www.bengo4.com/c_1009/n_4714/

 

記事の中でも触れていますが、刑法は「罪を犯す意思(故意)がない行為は、罰しない」(刑法38条1項本文)と定めており、過失犯として特別に規定のある場合を除いて、故意がなければ犯罪にはなりません。

したがって、結論としては、監督には「故意」がないため、傷害罪(刑法204条)は成立しない可能性が高いです。

 

他方、民事上の責任については、どうでしょうか。

民法上、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」(民法709条)とされており、不法行為に基づく損害賠償責任は、「故意」がある場合だけでなく、「過失」がある場合にも負うこととされています。

今回、傷害罪に該当しないとしても、不適切な指導であったことは、間違いありませんから、監督には、民法709条に基づいて、治療費等の損害を賠償するよう命じられる可能性があります。

 

また、少年野球の監督は、「法律行為でない事務の委託」を受けて、指導を行っていたと評価できますから、法的には、準委任契約(民法656条)にあたります。

そして、「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」(民法644条)とされていますから、かかる注意義務違反として、民法415条(債務不履行責任)に基づいて、治療費等の損害を請求することも出来そうです。

 

少年野球の監督は、ボランティアでやっているのが一般的ですが、そうであるからといってその責任が軽減されるわけではないので、注意が必要です。

(弁護士 國安耕太)

 

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