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前回、前々回と、インターネット販売に特有の契約の成立に関する問題をみてきました。
このほかにも、インターネット販売に関しては、通常の取引とは異なる電子商取引特有の規定が設けられていることがあります。
特に注意しなければならない規定として、電子契約法3条があります。
「民法第九十五条ただし書の規定は、消費者が行う電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示について、その電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が次のいずれかに該当するときは、適用しない。ただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。
一 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき。
二 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき。」
これだけ読んでも、なにをいっているのかよくわからないかもしれません、
この規定は、要するに、
(1)消費者が申込を行う前に、消費者の申込内容等を確認する措置を事業者側が講じた場合、または消費者自らが確認措置が不要である旨意思の表明をした場合を除き、
(2)操作ミスによる消費者の申込の意思表示は無効となる
ということを明らかにしています。
つまり、(1)の場合を除き、後々、消費者から、
「あれは誤操作だった」(全く申込みを行う意思がないにもかかわらず、操作を誤って申込みを行ってしまった)、「あれは契約内容を勘違いしていた」(操作を誤って申込みの内容を入力してしまったにもかかわらず、それを訂正しないままに内心の意思と異なる内容の申込みであると表示から推断される表示行為を行ってしまったような場合)として、契約の無効を主張されてしまう危険性がある、ということです。
したがって、インターネット販売を行う場合は、このような問題が生じないよう、きちんと消費者の申込内容等を確認する措置を講じておく必要があります。
(弁護士 國安耕太)
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第8回経営者勉強会
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定員:7名
テーマ:インターネット上のオンライン契約について(第7回と同内容です。)
参加費(昼食代):1500円
第9回経営者勉強会
日時:平成29年5月9日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと著作権
参加費(昼食代):1500円
第10回経営者勉強会
日時:平成29年5月23日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと著作権(第9回と同内容です。)
参加費(昼食代):1500円
第11回経営者勉強会
日時:平成29年6月6日午前11時30分~午後1時
定員:7名
テーマ:インターネットと特定商取引法
参加費(昼食代):1500円