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会社と労働者との間の労働契約が解消される場面としては、つぎの5つが存在します。
①契約当事者の消滅、死亡
②包括的同意(定年に達するなど一定の事由が発生すると当然に労働契約が終了するもの。「当然退職」)
③個別的同意(一般的に、労働者が退職を申込み、使用者が承諾する形で、双方の合意により労働契約を終了させるもの。「合意退職」)
④労働者の単独行為(労働者の一方的な意思表示によって労働契約を終了させるもの。「辞職」)
⑤使用者の単独行為(使用者の一方的な意思表示によって労働契約を終了させるもの。「解雇」)
このうち、もっとも問題となるのが⑤使用者の単独行為である解雇の場合です。
法律上、解雇は自由に出来るのが原則です。
労働基準法19条は解雇制限、20条は解雇予告手当に関する条文ですが、いずれも時期等の要件を満たせば、解雇は可能であることを前提としており、解雇そのものを禁止するものではありません。
しかし、実際は、判例上解雇権濫用法理が確立されており、現在では労働契約法16条も「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」として、事実上解雇を制限しています。
このように従業員の解雇には、大きな制約が課せられています。
そのため、従業員を解雇するにあたっては、社会保険労務士や弁護士等、外部の専門家に相談のうえ、慎重に判断する必要があります。
(弁護士 國安耕太)
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