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第11回のテーマは、遺贈です。
遺言により、被相続人の財産の全部または一部を、相続人または相続人以外の者に贈与することを「遺贈」といいます(民法964条)。
相続人以外の者に財産を遺したい場合には、遺言を作成しておく必要があります。
特に、内縁関係の場合には、夫婦としての実態があったとしても法律上の相続権は認められませんので、遺言を作成しておく意味があるといえます。
遺贈の方法としては、「A不動産をXに遺贈する」というように特定の具体的な財産を対象とする方法(特定遺贈)と「遺産全部をXに遺贈する」「遺産の2分の1をXに遺贈する」というように遺産全体の全部または一部を対象とする方法(包括遺贈)があります。
遺贈を受けることができる者(受遺者)は、自然人に限られず、法人や胎児も可能です(民法965条、886条)。
ただし、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、遺贈の効力は生じません(民法994条)。
また、受遺者は、原則として遺贈を放棄することもできます。
なお、「遺産全部をXに遺贈する」というように、他の相続人の遺留分を侵害する遺言を作成した場合には、遺留分を有する相続人により遺留分減殺請求がなされる余地があります。
次回は、「自筆証書遺言に関する法改正」についてご紹介します。
(弁護士 松村 彩)