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先週、遺言書等がなく、遺産分割協議がまとまらない場合、(1)不動産は、不可分であり、相続持分に応じて分割して相続するということが基本的に出来ず、相続割合に従って共有となること、(2)共有は、非常に不安定な状態であることをお伝えしました。
ただ、上記でも述べていますが、共有となってしまうのは、あくまでも、遺言書等がなく、遺産分割協議がまとまらない場合です(もちろん、遺産分割協議の結果、あえて共有にするということがないわけではありません。)。
遺言書等を作成していれば、相続割合に縛られず、自分の財産を自分の思うように相続させることができます。
しかし、遺言書等があれば、何でもできるというものではありません。
それは、相続人には、遺留分、という権利があるからです。
遺留分とは、一定の相続人に留保されていて、遺言による自由な処分に対して制限が加えられている持分的利益をいいます。
要するに、遺言書等で、自分の相続分がゼロにされていたとしても、一定の財産はもらう権利があるということです(民法1028条)。
*民法1028条
「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1」
このように相続対策を行う場合は、相続税だけでなく、この遺留分についても十分検討しておく必要があります。
(弁護士 國安耕太)