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第5回目のテーマは、離婚の方法と手続きです。
離婚の方法には、大きく分けて、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の3つの方法があります。
①協議離婚は、夫婦で離婚について話合いをし、合意ができれば離婚届を役所の窓口に提出する方法です(民法763条)。
この場合、婚姻届の場合と同様に、成年の証人2名の署名押印が必要になります。
②調停離婚は、夫婦間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合に、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、調停により離婚する方法です(家事事件手続法244条)。
調停は、男女各1人ずつの調停員が当事者の言い分を基本的に交互に聞きながら、離婚についての当事者の合意をあっせんするというものです。
調停手続では、離婚そのものだけではなく、子の親権者や面会交流、養育費、慰謝料といった財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。
③裁判離婚は、上記の方法によっても調整がつかない場合に、離婚を求める一方当事者が、法律上の離婚原因を主張して、離婚訴訟を提起し、判決により離婚を認めてもらう方法です。
原則として離婚調停を経てから離婚訴訟を提起する必要がありますので(調停前置主義)、離婚調停を経ずにいきなり離婚訴訟を提起したとしても、相手方が所在不明である等の事情がない限り、裁判所により、離婚調停に付される(調停から始める)ことになります。
なお、いったん離婚訴訟が提起された場合であっても、裁判の途中で当事者が離婚に合意すれば、判決を待たずに和解をすることもできます(人事訴訟法37条)。
次回は、「法律上の離婚原因」についてご紹介します。
(弁護士 松村 彩)