最新の記事
アーカイブ
カテゴリー
先日(平成27年7月30日)、厚生労働省中央最低賃金審議会は、最低賃金を全国で16~19円引き上げる旨の小委員会報告を公表しました*1。
これにより、たとえば、東京では、最低賃金が現在の888円から19円上昇し、907円となります。
現在は、アルバイトの時給を900円にしているところもよく見掛けますが、改定後は法律違反となってしまいますので注意が必要です。
実際、毎年のように、労働基準監督署が、最低賃金法違反容疑で検察庁に書類送検しています*2。
特に、平成27年3月には、居酒屋経営者が逮捕されるという事件も起きています*3。
この事案では、平成23年1月1日から平成25年8月16日までの間、当該居酒屋の元労働者から、勤務した最後の月の給料が支払われない旨の賃金不払に関する申告が4件あり、労働基準監督署が、この申告を受け、当該居酒屋に対し、不払賃金を支払うよう行政指導を行ったにもかかわらず、その行政指導に従わず、再三の出頭要求に応じなかったようです。
通常は、逮捕までされることはあまりありませんが、この事案では、行政指導に従わず、再三の出頭要求に応じなかったことから、非常に悪質であると判断されたものと思われます。
労働法の分野では、労災、解雇や未払残業代がフォーカスされることが多いですが、最低賃金法にも注意するようにしてください。
(弁護士 國安耕太)
*1
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000092841.pdf
*2
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/souken_jirei.html
*3
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/souken_jirei/backnumber/_121377.html