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では、つぎに、緊急事態宣言後に、会社が休業することを決定した場合はどうでしょうか。
まず、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく協力要請(法24条9項)の一環として、休業を要請され、営業を自粛し、労働者を休業させた場合です。
協力要請の一環としての休業要請は、強制力を伴うものではありませんが、法律に基づく要請であることからすれば、休業の原因が事業の外部から発生したということができます。
それゆえ、協力要請の一環としての休業要請をされた場合は、休業手当の支払義務が生じないことが多いと思います。
ただし、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないためには、事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができないといえなくてはなりません。
そのため、テレワーク等で業務を行うことができるような場合は、休業手当の支払義務が生じる可能性があります。
この点について、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」でも、
「・自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか」
との観点から、事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができないといえるかを検討することとされています。
以上のことを踏まえ、休業手当の支払義務が生じるか否か、慎重に判断しましょう。
(弁護士 國安耕太)