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さて、前回、賃貸借契約を終了させるためには、更新拒絶の通知を忘れないようにしなければならない、という話をしました。
ところが、更新拒絶の通知をしたとしても、貸した建物を返してもらえないことがあるのです。
すなわち、借地借家法は、更新拒絶の通知(および解約申入れ)は、「正当の事由」(以下「正当事由」といいます。)があると認められる場合でなければ、することはできないと定めているからです(28条)。
この正当事由は、
(1)賃貸人が建物の使用を必要とする事情
(2)賃借人が建物の使用を必要とする事情
のほか、
(3)建物の賃貸借に関する従前の経過
(4)建物の利用状況
(5)建物の現況および
(6)財産上の給付(いわゆる立退料)
を考慮して、判断されることとされています。
これだけを見れば、「賃貸人が建物の使用を必要とする事情が大きければ、貸した建物を返してもらうことも難しくないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際の裁判では、この正当事由をそう簡単には認めてもらえないことが多いのです。
(弁護士 國安耕太)