最新の記事
アーカイブ
カテゴリー
先日(平成28年5月19日)、厚生労働省が、長時間労働に関する行政指導で企業名を初めて公表したとの報道がありました*1。
千葉市にある棚卸し業務の代行会社「エイジス」が、従業員63人に対し、違法に月100時間を超える残業をさせていたとのことです。
昨年、厚生労働省は、過重労働対策強化のため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行う「過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)」を、東京労働局と大阪労働局に新設し、社会的に影響力の大きい企業が、違法な長時間労働を繰り返している場合には、是正を指導した段階で公表するとの方針を発表していました*2。
なお、具体的には、
①複数の都道府県に事業場を有している企業であって、中小企業に該当しない企業であること
②㋐労働時間、休日、割増賃金に係る労働基準法違反が認められ、かつ㋑1か月当たりの時間外・休日労働時間が100時間を超えている違法な長時間労働を行わせていること
③1箇所の事業場において、10人以上の労働者または当該事業場の4分の1以上の労働者に違法な長時間労働を行わせていること
④上記①②のような実態が概ね1年程度の期間に3箇所以上の事業場で繰り返されていること
という要件を満たしている場合に、指導・公表の対象となります*3。
このように、近時は、従業員に違法な長時間労働を行わせることによって、従業員自身に健康障害が発生し、損害賠償請求を受けてしまうというリスクのみならず、公表されることによって、企業イメージや信用の低下というリスクも生じ得ます。
このような状況にかんがみて、企業にとっては、長時間労働の是正が喫緊の課題といえるでしょう。
(弁護士 國安耕太)
*セミナーを開催いたします。
『新入社員定着セミナー』
開催日時:5月26日(木)
セミナー 19~20時30分
懇親会 20時30分~
場所:株式会社アセットリード「セミナールーム」
東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル9F
お問合せ先:03-6453-8270
株式会社TGIインデペンデント(担当:小林)
参加資格:なし(経営者・人事担当者向けセミナーになります。)
講師:森 泰造(株式会社みらい創世社代表取締役)
村中幸代(ノースブルー社会保険労務士事務所代表)
定員:30名
受講料:5000円
*1
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20160519-00000046-ann-soci
*2
*3
「長時間労働に係る労働基準法違反の防止を徹底し、企業における自主的な改善を促すため、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を複数の事業場で繰り返している場合、都道府県労働局長が経営トップに対して、全社的な早期是正について指導するとともに、その事実を公表する。」