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先週、平成30年1月17日に、法律を学び、攻めの経営を!第9回企業法務セミナー「中小企業の採用戦略」を開催いたしました。
定員の15名を超えるみなさまにご参加いただきました。
ありがとうございました。
さて、その中でも、少し触れたのですが、会社の事業に大きなマイナスの影響を与えるモンスター社員であっても、なかなか辞めさせることができません。
より正確にいえば、会社が、従業員を一方的に辞めさせること、すなわち、解雇をすることは容易ではありません。
日本の法令上、解雇そのものを禁止する規定はありません。
しかし、実際は、判例上解雇権濫用法理が確立されており、また、労働契約法16条も「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」として、事実上解雇を制限しています。
そして、解雇に客観的な合理性があるか、および相当性があるかどうかについては、
①職務能力や従業員としての適格性を欠いているかどうか
②規律違反行為があるかどうか
③社会的相当性があるかどうか
等を総合的に考慮して判断されます。
そのため、解雇が有効かどうかは、会社ごと、労働者ごとに異なり、一概に判断することはできず、解雇という手段には、常に無効となってしまうかもしれないと懸念がつきまとってしまいます。
このことから、採用の段階から、できる限り、モンスター社員を入社させないような対策をきちんと立てておかなければならないのです。
(弁護士 國安耕太)