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インターネット上の名誉棄損4

さて、前回、書き込みをした加害者を特定するには、2つの段階を踏む必要がある、という話をしました。

今回は、(β)コンテンツプロバイダに対し、加害者の利用していたIPアドレス等の開示を求め、その情報を得るという1段階目の手続について、解説していきたいと思います*1。

コンテンツプロバイダからISPを特定するための情報であるIPアドレス等を入手する方法としては、裁判外による方法と裁判上の手続による方法という2つの手段があります。

まず、裁判外による方法については、テレコムサービス協会の「発信者情報開示請求書」という書式にしたがって、印鑑証明書や身分証の写しと共に、コンテンツプロバイダに対し郵送するのが一般的です。

つぎに、裁判上の手続としては、仮処分の申立てを用いるのが一般的です。
 この手続では、(1)発信者情報開示請求権があること、および(2)IPアドレス等を早急に開示してもらう必要性を裁判官に説明(疎明)する必要があります。

(1)発信者情報開示請求権があることという要件が認められるには、
・特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたこと
・特定電気通信役務提供者に対する請求であること
・権利侵害の明白性
・開示を受けるべき正当な理由
が必要です(プロバイダ責任制限法4条1項*2)。

(2)IPアドレス等を早急に開示してもらう必要性については、加害者を特定するには、アクセスログという通信履歴が必要ですが、一般に3か月ほどで削除されてしまうので、削除までの期間が経過していなければ、緊急性があるとされることがほとんどです。
 
以上を経て、(β)コンテンツプロバイダに対し、加害者の利用していたIPアドレス等の開示を求め、その情報を得ます。
そして、ここで得たIPアドレス等を利用し、(γ)ISPを特定したうえで、ISPから加害者情報を得るという2段階目の手続を行っていくことになります。
次回は、この2段階目の手続について解説していきます。

*1 現在、発信者情報開示請求について、手続きの迅速化に向けて改正案が作成されていると報道されています(産経新聞2021年1月9日「【SNSの罠】ネット被害、裁判迅速化へ 地方の負担軽減は不透明」等)。
そのため、手続が大幅に変更となる可能性があります。
*3 プロバイダ責任制限法第4条第1項
「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。
一 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
二 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損 害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。」

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