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2021年の始まりに寄せて

みなさま、あけましておめでとうございます(すでに12日も経っていますが・・・)。

いよいよ2021年がスタートしましたが、年明け早々、関東4都県には緊急事態宣言が発出されました。
今年も新型コロナの影響はまだまだ続きそうです。

ただ、現時点(2021年1月12日)では、朔件の緊急事態宣言とは異なり、官公庁や学校等は、閉鎖せず、通常通りのようです。
同様に、当面は、裁判所も休廷せず、通常通り開廷されるようですので、当事務所もいまのところ通常通りの予定です。   このように先行きの見通しがつきにくい状況ですが、当事務所は、本年も着実に、かつ、最大限の成長を目指していきたいと思います。

毎年年始にお伝えしていることですが、当事務所の名称「ノースブルー」は、北海道にある日本一長い直線道路の愛称である「ノースブルーウェイ」から名付けました。
法的紛争が多様化・複雑化している現代社会において、当事務所は、クライアントのみなさまの進むべき道を真っ直ぐ示す道標でありたいと願っております。

また、当事務所は、クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命としています。
私たちは、上記使命を達成するため、①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと、②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと、③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと、を誓約いたします。

旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございました。
みなさまのご健勝とご多幸を祈念しております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(弁護士 國安耕太)

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あさ出版様から著書『おひとりさまの終活「死後事務委任」』を上梓いたします(11月12日発売予定)

現在、日本は65歳以上の人口の割合が全人口の21%を超え、超高齢社会を迎えています。また、国勢調査では、高齢者の6人に1人が、一人暮らしをされているとされています。
生涯未婚率の上昇、出生率の低下など、超高齢社会の原因が今後も改善しなければ、“おひとりさま”社会がやってくるのは目前です。ニュースで耳にする孤独死も他人事では済まされなくなってきています。
実際、安心して晩年を過ごしたいとおっしゃる方々からのご相談も、年々増加してきています。

このような背景のなか、あさ出版様の編集者である小川様と知己を得、今後のおひとりさま社会について話をする中で、おひとりさまの終活についての書籍を執筆することになりました。
超高齢社会という日本社会の実情を踏まえ、最近話題となることの多い死後事務委任のほか遺言・家族信託・成年後見などおひとりさまの終活にかかわるトピックについて、まとめております。
ご自身の終活だけでなくご両親などの終活にもお役に立てれば幸いです。
(弁護士 國安耕太)

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謹賀新年

いよいよ2020年がスタートしました。

今年は、東京オリンピックが開催されるなど、大きなイベントを控えています。

大きなイベントの後は、必ず反動がありますので、その反動に巻き込まれることなく、本年も着実に、かつ、最大限の成長を目指していきたいと思います。

 

当事務所の名称「ノースブルー」は、北海道にある日本一長い直線道路の愛称である「ノースブルーウェイ」から名付けました。

 

法的紛争が多様化・複雑化している現代社会において、当事務所は、クライアントのみなさまの進むべき道を真っ直ぐ示す道標でありたいと願っております。

 

また、当事務所は、クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命としています。

 

私たちは、上記使命を達成するため、①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと、②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと、③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと、を誓約いたします。

 

旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございました。

 

みなさまのご健勝とご多幸を祈念しております。

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

代表弁護士 國安耕太

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年末のご挨拶

今日は、クリスマスイブです。

みなさん、どのように過ごされるのでしょうか。

 

さて、2019年も、残すところ1週間となりました。

クライアントのみなさまに支えられ、1年間、つつがなく業務を進めることができました。

心から感謝申し上げます。

 

2020年も、クライアントのみなさまの期待を超える成果をあげられるよう、所員一同業務の遂行に邁進してまいりますので、変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

なお、当事務所は、2019年12月28日から2020年1月5日まで冬期休業となります。

 

冬期期間中は何かとご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただけますようお願い申し上げます。

 

代表弁護士 國安耕太

 

 

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新しい相続対策(民事信託7)

さて、先週まで、新しい相続対策として、民事信託制度の概要を見てきました。

委託者の意思能力に問題が生じた場合や、財産の承継者の順番を決めたい場合、承継させる財産の使用・処分を制限したい場合など、民事信託が有用な場面は多々あります。

 

しかし、民事信託とて万能の制度ではありません。

 

もっとも注意しなければならないのは、民事信託が、当事者を長期間拘束する制度である、ということです。

そのため、様々な場面を想定したうえで、適切に設定をしないと、かえって財産の承継に支障をきたしてしまう可能性があります。

 

民事信託は、あくまでもツールです。

場合によっては、遺言を利用した方が良い場合もありますし、一般社団法人を利用した方が良い場合もあります。

民事信託を使うことが目的ではなく、目的にあわせて、民事信託を含めた適切な制度を選択することが重要なのです。

 

ある程度の類型化は可能ですが、何が最適解なのかは、その家族ごと、そして、どのように財産を承継させたいと思うのかによって変わってきます。

 

ぜひご自身にとってベストの解決策を見つめていただければ幸いです。

(弁護士 國安耕太)

 

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新しい相続対策(民事信託6:承継した財産の使用・処分を制限したい場合)

亡くなった後、自分の財産をどのように承継して欲しいかについては、遺言であらかじめ決めておくことができます。

しかし、遺言の場合、承継した財産をどのように使用・処分するのかは、当該財産を承継した相続人の自由であり、遺言者が承継した財産をどのように使用・処分するのかを指定することはできません。

 

たとえば、先祖伝来の土地建物を長男に相続させる、できれば売却しないで自宅として使用して欲しい、と遺言書に記載していたとしても、土地建物を相続した長男は、これに従っても良いですし、従わなくても構いません。

相続人である長男は、遺言者の意思に従わなければならない法的義務はないのです。

 

これに対し、信託を活用した場合、委託者の希望通りに、承継した財産の使用・処分を制限することができる可能性があります。

 

たとえば、先祖伝来の土地建物に信託を設定し、受託者を長男とします。

そして、この信託契約において、受託者に土地建物の売却権限を付与しなければ、長男は土地建物を売却することはできません。

 

他方で、収益不動産に信託を設定し、その信託契約において、受託者である長男に対し、第三者に賃貸する権限や裁量により信託不動産を換価処分する権限を与えておくこともできます。

この場合、受託者である長男は、自己の判断で、第三者に賃貸したり、売却することもできることになります。

 

このように委託者のニーズに合わせて、契約内容を変更することができるのも、信託を活用する大きなメリットといえます。

(弁護士 國安耕太)

 

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新しい相続対策(民事信託5:財産の承継順位を決めておきたい場合)

亡くなった後、自分の財産をどのように承継して欲しいかについては、遺言であらかじめ決めておくことができます。

しかし、遺言の場合、つぎの承継者を指定できるにすぎず、その後の承継について決めることはできません。

 

たとえば、先祖伝来の土地建物について、自分の死後はまず、妻に相続させ、妻の死後は長男に相続させたいと思っていたとしても、遺言では、妻に相続させることまでしか決めることはできません。

 

これに対し、信託を活用した場合、委託者の希望通りに、承継者の順番を決めることができる可能性があります。

 

たとえば、先祖伝来の土地建物に信託を設定し、当初は、自身を第1次受益者とします。

そして、この信託契約において、第2次受益者を妻、第3次受益者を長男と指定することにより、承継者の順番を決めることができます。

もちろん、長男が先に亡くなってしまったような場合など不測の事態が生じたときは、当初の予定通りに承継できないこともあります。

 

しかし、財産の承継にこだわりがある場合に、それを実現しうる制度が存在するかしないかは、大きな違いではないかと思います。

 

また、この制度を活用することで、事業承継を円滑に進めることができる可能性もありますし、相続の生前対策となる可能性もあります。

 

その意味でも、委託者の希望通りに、承継者の順番を決めることができる可能性がある、というのは重要な意味を持ってくるといえます。

(弁護士 國安耕太)

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新しい相続対策(民事信託4:委託者の意思能力に問題が生じた場合)

委託者の意思能力に問題が生じた場合、たとえば、委託者が認知症に罹患した場合、実質的に財産が凍結されてしまうことになります。

すなわち、財産の処分等を行うためには、意思表示をすることができなければなりません。

しかし、委託者が認知症に罹患した場合、本人は、意思表示をすることは困難ですから、財産の処分等を行うことができません。

そのため、たとえば、老人ホームの入居料を支払うために自宅の不動産を売却しようと思っても、それはできない、ということになります。

 

そのような時に備えて、成年後見という制度があるにはあります。

ところが、成年後見人が、実際に被後見人の自宅の不動産を売却するためには、家庭裁判所に対して、不動産を売却することについての必要性や妥当性を訴え、売却を許可してもらわなければならず、非常に困難なのです。

 

そこで、このような場合に備えて、自宅の不動産について、委託者兼受益者を親、受託者を子どもとする信託を組成しておく、ということが考えられます。

そして、信託契約の条項で、当該不動産の処分権限を認めておけば、受託者を売主として信託不動産を売却することができます。

 

なお、受託者の権限は、信託目的の範囲内で、自由に定めることができます。

そのため、処分権限はなく、管理権限のみと定めることも可能です。

 

このように、民事信託を利用することで、委託者が認知症に罹患した場合等委託者の意思能力に問題が生じた場合に、実質的に財産が凍結されてしまう事態を回避することができる可能性があるのです。

(弁護士 國安耕太)

 

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新しい相続対策(民事信託3:制度の概要)

民事信託は、受託者が、特定の委託者から、営利を目的とせず、反復継続しないで引き受ける信託をいいます。

 

実は、信託法とは別に信託業法という法律があり、受託者が、「信託の引受けを行う営業」を行う場合、信託業の免許が必要になります(信託業法2条1項、3条)。

この信託業法の適用を回避するため、「営業」もあたらないこと、すなわち、営利の目的をもって反復継続して行わないことが必要となります。

そのため、複数の依頼者から依頼を受けて受託者になることはできません。

 

他方で、受託者が信託報酬を受け取ることは禁止されていません。

ただし、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬を受ける旨の定めがある場合に限ります(信託法54条)。

 

なお、未成年は受託者になることができませんが(信託法7条)、法人は受託者になることができます。

 

さて、このような民事信託ですが、この制度を利用した場合の主たるメリットは、つぎの3つに集約されます。

 

1つ目は、委託者の意思能力に問題が生じた場合(委託者が認知症に罹患した場合など)、実質的に財産が凍結してしまいますが、そのような事態を回避することができる可能性があります。

 

2つ目は、遺言等では、つぎの承継者を指定できるにすぎないのに対し、委託者の希望通りに、承継者の順番を決めることができる可能性があります。

 

3つ目は、遺言等では承継者が承継した財産をどのように使用・処分するのか指定することはできませんが、使用・処分を制限することができる可能性があります。

 

では、それぞれ、どのような場面で有用なのか、具体的に見ていきましょう。

(弁護士 國安耕太)

 

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新しい相続対策(民事信託2:信託法改正)

我が国においては、従前、「信託」といえば、信託銀行等が取り扱っている商事信託(信託を利用した金融商品)を指しており、委託者=受益者であることが原則でした。

 

しかし、本来、「信託」とは、委託者が受託者に対して財産権の移転等の処分をし、一定の目的(信託目的)に従って、受託者が、受益者のために財産(信託財産)の管理、処分をすることをいいます。

要するに、信託制度は、委託者が、受益者のために、受託者に対し、委託者の所有する財産の管理等を委ねる、という制度です。

すなわち、本来的には、委託者=受益者でなければならない、というものではありません。

 

むしろ、歴史的には、中世ヨーロッパの十字軍遠征の際、遠征する兵士が、信頼できる人に財産を譲渡し、そこから得た収益を残された家族に渡すための制度として利用されたといわれる制度です。

そのため、委託者≠受益者が本来の姿であるといってよいかもしれません。

 

そこで、信託という優れた制度を商事信託のみならず、後見的な財産管理や財産の承継を目的とした民事信託の分野でも活用できるよう2006年(平成18年)12月(2007年9月施行)に、信託法が改正されました。

 

改正された信託法では、多様な信託目的に応じられるようにするため、受託者の義務の合理化、受益者の権利行使の強化を図りつつ、その一方で信託制度を柔軟に運用できるようにし、従前の信託法では認められていなかった、自己信託、遺言代用信託、受益者連続信託等も新たに認められています。

 

このように、大きく変わった信託法ですが、今回は、その中でも、新しい相続対策として、民事信託の制度とその活用について考えていってみたいと思います。

(弁護士 國安耕太)

 

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新しい相続対策(民事信託1)

相続紛争を避けるもっとも有効な手段の一つが「遺言書」を作成することです。

 

しかし、遺言では解決できない問題もあります。

 

たとえば、遺言者(被相続人)が、自分の財産を、最初は妻に、その後は自分の弟にあげたいと思っていたとします。

しかし、遺言では、自分の財産誰に承継させるかを決めることができるのみで、自分の財産を承継した人がそれを誰に承継させるのかを決めることはできません。

 

では、どうすればいいのか。

 

この悩みを解決する一つの方法として考えられるのが、「民事信託」という制度の活用です。

 

もちろん、民事信託がすべてのケースで妥当するわけではありませんし、民事信託ですべての問題が解決するわけではありません。

 

しかし、遺言とは別に、民事信託という選択肢を知っているかどうかで、解決できる問題があることも確かです。

 

そこで、次回以降、民事信託について解説をしていきます。

(弁護士 國安耕太)

 

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令和元年

みなさま、ゴールデンウィークはいかが過ごされましたでしょうか。

31年続いた平成が今年の4月30日で終わり、新たに5月1日から、令和がスタートしました。

 

新たな令和という時代が、素晴らしいものになることを願ってやみません。

 

さて、このように新たにスタートした、令和という元号ですが、法的にはどのような位置づけとなるのでしょうか。

 

まず、元号法は、このようにわずか2条しかない法律ですが、つぎのように定めています。

 

第1条 元号は、政令で定める。

第2条 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。

 

上記の通り、元号が「皇位の継承」があった場合に改められることになります。

そのため、今回も皇位継承に伴って、平成から令和に年号が改められることになりました。

 

なお、皇位継承に関する規律は皇室典範に規定されていますが、従前、皇室典範は、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」(第4条)と定めるのみで、生前に退位することを想定した規定を置いていませんでした。

 

そこで、この度、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」(成立:平成29年6月9日、公布:平成29年6月16日)を制定し、生前退位に関する法整備を行っています。

この法律によって、前天皇陛下が、「この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位する」こと(第2条)、退位した前天皇陛下が、「上皇」となること(第3条第1項)等が定められています。

なお、「上皇」の敬称は、天皇と同様「陛下」とする旨も併せて規定されています(第3条第2項)。

 

このように、今回の新天皇陛下の即位と、新元号の制定も、法律の規定に基づいて行われているのです。

 

*https://www.kantei.go.jp/jp/headline/taii_tokurei.html?fbclid=IwAR1BniBhigB_KGeJAdHp-069YVKQP9p5Q3TN-rCNbVMu9jqAqkQzkI2xAoU

 

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ノースブルー総合法律事務所開所6周年(7年目)!

私事ですが、ノースブルー総合法律事務所は、開所後満6年が経過し、昨日(2019年4月1日)で、7年目に入りました。

 

6年前、当時のパートナー弁護士と2人きりで、だだっ広いオフィスに、折り畳み式の机1個と椅子3脚、家から持ってきた家庭用のファックス付き電話機のみを持ち込み、業務をスタートしました。

 

当時は、顧問先も3社ほどで、仕事がほとんどなく、朝は10時過ぎに事務所に来て、昼寝をしたり、本を読んだりして過ごし、夕方5時くらいには、家に帰っていました。

 

現在は、弁護士が4名となり、事務局2名が所属しているほか、今年の12月にはもう1人新人の弁護士を採用する予定です(募集中です!)。

 

当時の状況を思い返すと、隔世の感があります。

 

これもひとえに、ご依頼いただいているクライアントのみなさまや、ご支援いただいているみなさまのおかげです。

 

厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 

これからも、

「クライアントの進むべき道を真っ直ぐ示す道標となる」

との事務所理念の下、

クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命とし、上記使命を達成するため、

 

①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと

②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと

③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと

 

を誓約いたします。

 

今後ともよろしくお願い申し上げます。

(代表弁護士國安耕太、弁護士高安聡、弁護士石塚花絵、弁護士松村彩)

 

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相続セミナーに登壇します!の続き

さて、先週、実は、「財産がない」「家族の仲が良い」というのは、相続対策をしない理由には、まったくならない、ということをお伝えしました。

 

その理由は、後述の1月30日に行われる相続セミナーでお話しますが、相続紛争を避ける有効な手段の一つが「遺言書」を作成することです。

 

遺言(相続をめぐる法律関係9参照)を作成しておけば、誰にどのような財産を相続させるのかを自由に決めておくことができます。

ただし、遺留分(相続をめぐる法律関係8参照)に注意する必要があります。

 

このように、相続対策という観点からは、遺言を作成するというのは非常に重要かつ有効な手段で、これによって解決することができることが多々あります。

 

しかし、遺言では解決できない問題もあります。

 

たとえば、遺言者(被相続人)が、自分の財産を、最初は妻に、その後は自分の弟に上げたいと思っていたとしても、これを遺言によって実現することはできません。

 

では、どうすればいいのか。

この悩みを解決する一つの方法として考えられるのが、「民事信託」という制度の活用です。

 

もちろん、民事信託がすべてのケースで妥当するわけではありませんし、民事信託ですべての問題が解決するわけではありません。

しかし、遺言とは別に、民事信託という選択肢を知っているかどうかで、解決できる問題があることも確かです。

 

後述の1月30日に行われる相続セミナーでは、この民事信託を専門とする司法書士の方も登壇されます。

 

ぜひ一度、民事信託についても勉強してみてください。

(弁護士 國安 耕太)

 

*株式会社オウケイウェイヴ社主催の下記相続セミナーに登壇いたします。

参加費は無料となっていますので、ぜひ参加をご検討ください。

日時:2019/1/30水19:00~20:00

場所:東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル5F

オウケイウェイヴ内セミナールーム

申込:okgaia@ml.okwave.co.jp

 

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謹賀新年

当事務所の名称「ノースブルー」は、北海道にある日本一長い直線道路の愛称である「ノースブルーウェイ」から名付けました。

法的紛争が多様化・複雑化している現代社会において、当事務所は、クライアントのみなさまの進むべき道を真っ直ぐ示す道標でありたいと願っております。

 

また、当事務所は、クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命としています。

私たちは、上記使命を達成するため、①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと、②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと、③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと、を誓約いたします。

 

旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございました。

みなさまのご健勝とご多幸を祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

代表弁護士 國安耕太

 

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平成30年度上半期最高裁判例ダイジェスト

平成30年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決をご紹介します。

 

今回は、何といっても、平成30年6月1日に出された2つの最高裁判決です。1つ目は、未払賃金等支払請求上告、同附帯上告事件(平成28(受)第2099号)*1です。

 

この事件は、期間の定めのある労働契約(「有期労働契約」)締結している労働者と、期間の定めのない労働契約(「無期労働契約」)を締結している労働者の間で、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当、家族手当、賞与、定期昇給および退職金に相違があることが労働契約法20条*2に反すると主張して、正社員と同一の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、差額の支払いを求めたものです。

 

この判決のポイントは、

(1)有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法20条に違反する場合であっても、同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるものではない、ということ。

ただし、

(2)有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理であると評価することができる場合は、その差額について損害賠償を求めることができる。

ということです。

 

このこと自体は、これまでの最高裁判決の流れからすれば、当然の帰結ではあります。

しかし、本判決で明らかとなったのは、よほど合理的な理由がない限り、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違は、不合理なものと判断されてしまう、ということです。

 

同様の判断は、地位確認等請求事件(平成29(受)第442号)*3でも、みてとれます。

 

具体的に、どのような事情が考慮されているのかは、それぞれの判決を確認していただければと思いますが、この2つの最高裁判決によって、会社は、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違について、再度、きちんと考察し、その合理性を厳しく検討しなければならない状況に置かれた、といえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/784/087784_hanrei.pdf

*2

(労働契約法20条)

有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

*3

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/785/087785_hanrei.pdf

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ノースブルー総合法律事務所開設5周年(6年目に入りました。)

私事ですが、当ノースブルー総合法律事務所は、平成30年4月1日で、開設5周年を迎え、6年目に入りました。

 

5年前、パートナー弁護士と2人きりで、だだっ広いオフィスに、折り畳み式の机1個と椅子3脚、家から持ってきた家庭用のファックス付き電話機のみを持ち込み、スタートしました。

 

当時は、顧問先も3社ほどで、仕事がほとんどなかったため、朝は10時過ぎに事務所に来て、昼寝をしたり、本を読んだりして、だらだら過ごし、夕方5時くらいには、家に帰っていました。

 

現在は、弁護士が4名となり、事務局2名が所属しているほか、今年の12月にはもう1人新人の弁護士を採用する予定で、当時の状況からすれば、隔世の感があります。

 

これもひとえに、クライアントおよびご支援いただいているみなさまのおかげです。

厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 

これからも、

「クライアントの進むべき道を真っ直ぐ示す道標となる」

との事務所理念の下、

クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命とし、上記使命を達成するため、

①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと

②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと

③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと

を誓約いたします。

 

今後ともよろしくお願い申し上げます。

(弁護士 國安耕太)

 

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謹賀新年

あけましておめでとうございます。

 

さて、当事務所も、本年4月で6年目を迎えます。

この5年間、無事に事務所が継続してこれたのも、ひとえにお仕事を依頼してくださるクライアントのみなさま、クライアントをご紹介くださる友人、そして、なによりも事務所を支えてくれる事務所の仲間のおかげと思います。

 

厚く御礼申し上げます。

 

当事務所は、法的紛争が多様化・複雑化している現代社会において、『クライアントのみなさまに進むべき道を真っ直ぐ示す道標』となるとの経営理念を掲げています。

 

そのうえで、つぎの事項をクレドとして、クライアントのみなさまにお約束いたします。

 

『ノースブルー総合法律事務所は、クライアントの抱える悩みを本質的に解決することを、最も大切な使命としています。

私たちは、上記使命を達成するため、①クライアントのみなさまと温かく充実したコミュニケーションを通じて深い信頼関係を築くこと、②迅速に、クライアントのみなさまの期待を超える成果を挙げるよう全力を尽くすこと、③プロフェッショナルとして、自己研鑽を怠らないこと、を誓約します。』

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(弁護士 國安耕太)

 

*法律を学び、攻めの経営を!第9回企業法務セミナー「中小企業の採用戦略」を開催いたします。

日時: 2018年1月17日(水) 18:30~21:00( 18:15開場)

場所:東京都新宿区西新宿1-3-13 Zenken PlazaⅡ7Fレアルセミナールーム

対象:経営者、総務・法務担当者

定員:先着15名

参加費:8000円(税込) ※当日会場にてお支払いください

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副業のすゝめ?

近時、公に副業(兼業)を認める会社も増えてきていますが、多くの会社は、依然就業規則に副業(兼業)を禁止する規定を設けているのが通常です。

 

ただ、日本国民には、憲法上、職業選択の自由(22条1項)が認められています。

職業選択の自由を実質的に制限する、この就業規則上の副業(兼業)禁止規定は、そもそも適法なのでしょうか。

 

この点につき、過去の裁判例では、

「就業規則で兼業を全面的に禁止することは、特別な場合を除き、合理性を欠く」としつつ、「従業員の兼業の許否について、労務提供上の支障や企業秩序への影響等を考慮したうえでの会社の承諾にかからしめる旨の規定を就業規則に定めることは不当とはいいがた」いとされています*1(東京地判昭和57年11月19日、労判590号45頁、小川建設事件)。

 

したがって、就業規則上の副業(兼業)禁止規定自体は有効といえます。

 

ただし、あくまでも「就業規則において二重就職が禁止されている趣旨は、従業員が二重就職することによつて、会社の企業秩序をみだし、又はみだすおそれが大であり、あるいは従業員の会社に対する労務提供が不能若しくは困難になることを防止するにある」*2(名古屋地判昭和47年4月28日、判時680号88頁、橋元運輸事件)ため、就業規則上、副業(兼業)が禁止されるのは、あくまでも労務提供上の支障や企業秩序への影響が認められるような場合に限られると考えておいた方が無難でしょう。

 

以上を踏まえれば、会社としては、副業(兼業)を全面的に禁止するよりも、許可制として、その副業(兼業)をコントロールする方が好ましいかもしれません。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

「元来就業規則において二重就職が禁止されている趣旨は、従業員が二重就職することによつて、会社の企業秩序をみだし、又はみだすおそれが大であり、あるいは従業員の会社に対する労務提供が不能若しくは困難になることを防止するにあると解され、従つて右規則にいう二重就職とは、右に述べたような実質を有するものを言い、会社の企業秩序に影響せず、会社に対する労務の提供に格別の支障を生ぜしめない程度のものは含まれないと解するのが相当である。」

 

*2

「法律で兼業が禁止されている公務員と異り、私企業の労働者は一般的には兼業は禁止されておらず、その制限禁止は就業規則等の具体的定めによることになるが、労働者は労働契約を通じて一日のうち一定の限られた時間のみ、労務に服するのを原則とし、就業時間外は本来労働者の自由であることからして、就業規則で兼業を全面的に禁止することは、特別な場合を除き、合理性を欠く。しかしながら、労働者がその自由なる時間を精神的肉体的疲労回復のため適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労働提供のための基礎的条件をなすものであるから、使用者としても労働者の自由な時間の利用について関心を持たざるをえず、また、兼業の内容によつては企業の経営秩序を害し、または企業の対外的信用、体面が傷つけられる場合もありうるので、従業員の兼業の許否について、労務提供上の支障や企業秩序への影響等を考慮したうえでの会社の承諾にかからしめる旨の規定を就業規則に定めることは不当とはいいがた」い。

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

第14回経営者勉強会

日時:平成29年8月8日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:債権回収の基本を習得する。経営者の陥る3つの落とし穴編。(第13回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

 

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平成29年度上半期最高裁判例ダイジェスト④

平成29年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決を4週連続で、紹介していく企画の最後4週目です。

 

4つめの最高裁判決は、平成29年2月28日に出された賃金請求事件( 平成27年(受)第1998号)です。

 

この事案は、タクシー乗務員が、歩合給の計算に当たり残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める賃金規則上の定めが無効であり、会社は控除された残業手当等に相当する金額の賃金の支払義務を負うと主張して、会社に対し、未払賃金等の支払を求めたものです。

 

まず、本判決は、

「(労働基準法37条は、)労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり、使用者に対し、労働契約における割増賃金の定めを労働基準法37条等に定められた算定方法と同一のものとし、これに基づいて割増賃金を支払うことを義務付けるものとは解されない。」とし、必ずしも労働基準法37条等に定められた方法で割増賃金を算定しなければならないわけではないことを明らかにしました。

 

また、本件事案での計算方法については、「労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に、当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの、当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し、無効であると解することはできない」と判示しました。

 

そのうえで、「本件賃金規則における賃金の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否か、また、そのような判別をすることができる場合に、本件賃金規則に基づいて割増賃金として支払われた金額が労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かについて審理判断」すべきとして、審理を高裁に差戻しました。

 

以上のとおり、本件事案で未払賃金等の支払が認められるのかは定かではありませんが、労働基準法37条の解釈について、興味深い判示をしているため、紹介する次第です。

高裁で、どのような判断がなされるのか、楽しみです。

(弁護士 國安耕太)

 

*

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/544/086544_hanrei.pdf

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

第14回経営者勉強会

日時:平成29年8月8日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:債権回収の基本を習得する。経営者の陥る3つの落とし穴編。(第13回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

 

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平成29年度上半期最高裁判例ダイジェスト③

平成29年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決を4週連続で、紹介していく企画の3週目です。

 

3つめの最高裁判決は、平成29年4月6日に出された預金返還等請求事件( 平成28年(受)第579号)です。

 

この事案は、共同相続された定期預金債権および定期積金債権が、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるかが争われた事案です。

 

最高裁は、「定期預金については、預入れ1口ごとに1個の預金契約が成立し、預金者は解約をしない限り払戻しをすることができないのであり、契約上その分割払戻しが制限されているものといえる。そして、定期預金の利率が普通預金のそれよりも高いことは公知の事実であるところ、上記の制限は、一定期間内には払戻しをしないという条件と共に定期預金の利率が高いことの前提となっており、単なる特約ではなく定期預金契約の要素というべきである。」として、「共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである。」と判示しました*1。

 

なお、共同相続された普通預金債権および通常貯金債権についても、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるとされている(最決平成28年12月19日判タ1433号44頁*2)。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/670/086670_hanrei.pdf

 

*2

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/354/086354_hanrei.pdf

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

 

第13回経営者勉強会

日時:平成29年7月25日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:債権回収の基本を習得する。経営者の陥る3つの落とし穴編。

参加費(昼食代):1500円

 

第14回経営者勉強会

日時:平成29年8月8日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:債権回収の基本を習得する。経営者の陥る3つの落とし穴編。(第13回と同内容となります。)

参加費(昼食代):1500円

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平成29年度上半期最高裁判例ダイジェスト②

平成29年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決を今週から4週連続で、紹介していく企画の2週目です。

 

2つめの最高裁判決(決定)は、1つ目の最高裁判決と同じ平成29年1月31日に出された投稿記事削除仮処分決定認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件(平成28年(許)第45号)です。

 

この事案は、児童買春法*1違反で、罰金刑に処せられた者が、人格権ないし人格的利益に基づき、検索事業者に対し、自己のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURLならびに当該ウェブサイトの表題および抜粋を検索結果から削除することを求めたものです。

 

最高裁は、「個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となるというべきである」とする一方で、

「検索結果の提供は検索事業者自身による表現行為という側面を有する。」「検索事業者による検索結果の提供は、現代社会においてインターネット上の情報流通の基盤として大きな役割を果たしている。」とし、

「検索事業者による特定の検索結果の提供行為が違法とされ、その削除を余儀なくされるということは、上記方針に沿った一貫性を有する表現行為の制約であることはもとより、検索結果の提供を通じて果たされている上記役割に対する制約でもあるといえる。」ことから、

 

「検索事業者が、ある者に関する条件による検索の求めに応じ、その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは、当該事実の性質及び内容、当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度、その者の社会的地位や影響力、上記記事等の目的や意義、上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化、上記記事等において当該事実を記載する必要性など、当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので、その結果、当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、検索事業者に対し、当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である。」と判示しました*2。

 

これまでもプライバシーの保護と表現の自由との衝突場面が争点となった事案がありますが、本件もその1つのメルクマールとなるといえます。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰および児童の保護等に関する法律

 

*2

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/482/086482_hanrei.pdf

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平成29年度上半期最高裁判例ダイジェスト①

平成29年度上半期(1月~6月)に出された最高裁判決の中から、特に気になった判決を今週から4週連続で、紹介していこうと思います。

 

初めの最高裁判決は、平成29年1月31日に出された養子縁組無効確認請求事件(平成28(受)第1255号)です。

 

この事案は、A、X1、X2という3人の子供がいる甲が、Aの子どもであるY(甲からみれば孫。X1およびX2からみれば甥)と養子縁組をしたところ、X1およびX2が、本件養子縁組は、専ら相続税の節税のために行われたものであって、縁組をする意思を欠くものであると主張して、その無効確認を求めた事案です。

 

原審は、本件養子縁組は専ら相続税の節税のためにされたものであるとした上で、かかる場合は民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとして、X1らの請求を認容しました。

 

これに対し、最高裁は、

「養子縁組は、嫡出親子関係を創設するものであり、養子は養親の相続人となるところ、養子縁組をすることによる相続税の節税効果は、相続人の数が増加することに伴い、遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。」

とし、

「専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。」

と判示しました*。

 

これまで実務で行われていた相続税の節税のために養子縁組をし、節税効果を発生させるというスキームが適法であることを追認するものにすぎませんが、適法であることが明確になったことで、今後このスキームを利用しようとするケースが増えてくるかもしれません。

ただ、養子縁組の効果は、相続税の節税にとどまらないため、きちんと専門家に相談し、そのメリット、デメリットを検討することをお勧めします。

(弁護士 國安耕太)

 

*

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/480/086480_hanrei.pdf

 

※下記の日程で経営者勉強会を開催いたします。定員少数のため満席の場合はご容赦ください。

第12回経営者勉強会

日時:平成29年7月11日午前11時30分~午後1時

定員:7名

テーマ:インターネットと特定商取引法等(第11回と同内容です。)

参加費(昼食代):1500円

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盲導犬同伴の障害者の入店拒否に法的な罰則はあるか

当事務所の南部弘樹弁護士が、弁護士ドットコムの取材を受けました*1。

 

公益財団法人アイメイト協会が、盲導犬を連れている視覚障害者を対象に、今年3月に行った調査では、約9割が外出した際に「嫌な思い」をした経験があると回答したそうです。

 

身体障害者補助犬法では、盲導犬や聴導犬、介助犬(手や足が不自由になった人の日常生活を助けるよう訓練された犬)を身体障害者が同伴している場合、飲食店などの不特定かつ多数の人が利用する施設を管理する人に対して、原則として、『同伴を拒んではならない』としています(9条)*2。

 

しかし、この規定に違反したとしても、罰則はありませんので、実際には、同伴を拒まれるケースも多々あるようです。

 

ただ、日本は世界でもっとも速いスピードで高齢化が進んでおり、高齢化社会は障害者が急増する社会でもあります。

将来的には、障害者への配慮が、実はその店の収益に寄与する可能性は十分あります。

 

今後のビジネスにおいては、より一層バリアフリー、ユニバーサルデザイン*3という発想が求められることになるでしょう。

(弁護士 國安耕太)

 

*1

https://www.bengo4.com/other/1146/n_4721/

 

*2 身体障害者補助犬法9条

前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない。ただし、身体障害者補助犬の同伴により当該施設に著しい損害が発生し、又は当該施設を利用する者が著しい損害を受けるおそれがある場合その他のやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。

 

*3

障害の有無等にかかわらず、すべての人にとって使いやすいようにはじめから意図してつくられた製品・情報・環境のデザインのこと

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障害者差別解消法および改正障害者雇用促進法の施行について

平成26年6月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)が公布され、本年4月から施行されます。
これまで、いわゆる差別として典型的に考えられてきたものは、たとえば盲導犬を連れた障害者の入店拒否や障害を持つ児童の入学拒否など、障害を理由とする排除や制限でした。これは直接差別と呼ばれてきました。
しかし、この法律は直接差別だけでなく、障害者に合理的な配慮をしないことも差別にあたるとしています。
障害者差別解消法第8条2項は、「事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。」としています(知的障害等により本人自らの意思を表明することが困難な場合には、その家族などが本人を補佐して意思の表明をすることもできるとされています。)。
難解な表現ですが、同法は、事業者に対して、単に直接差別をしないだけでなく、障害者が生活するにあたってのハードルを取り除くよう、民間事業者に合理的な配慮をするよう努力する義務を課しました。これは、単に機会の平等を確保するだけではなく、障害者が他の人々と同じ社会的活動を営めるようにしようという考え方に基づくものです。
つまり、単に入店拒否や入学拒否をしないというだけでは十分ではなく、たとえば施設を利用しようとする障害者を民間事業者はサポートしなければならないとしたのです。具体的には、店舗にスロープを設置すること、障害者が電車やバスへ乗車する際に職員などによる手助けをする体制を整えること、飲食店に入ろうとする車いす利用者のために段差解消のための渡し板を設置するなどの措置をとることなどが考えられます。
そして、直接差別だけでなく、このような合理的配慮をしないことも新たに差別に当たるとされることになったのです。

 

さらに、障害者雇用促進法が改正され、やはり今年4月から施行されます。これにより障害者を雇用している事業主に対しても合理的な配慮をする義務が課されました。
しかもこれは先ほど述べた障害者差別解消法とは異なり努力義務ではありません。事業主は努力するだけでは足りず、法的な義務として合理的な配慮をしなければならなくなりました。
具体的にどのようなことが求められるのかは今後の実務の蓄積を待つことになりますが、たとえば、車いすを利用する方に合わせて机や作業台の高さを調整することや、知的障害をもつ方に合わせて口頭だけでなく分かりやすい文書・絵図を用いて説明することなどが想定されています(なお、障害者が希望する措置が事業主にとって過重な負担に該当する場合は、希望どおりの措置を講じる義務まではありません。ただし、その場合であっても、障害者と話し合い、その意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で、合理的配慮に係る何らかの措置を講じる必要があるとされています。)。
近年、障害者の雇用は広がりを見せていますが、雇用している事業主としてはきめ細やかな対応をしなければ重大事故に繋がりかねません。そして、万一の事故の際、本年4月以降はこの合理的な配慮をしなかったことが事業主の損害賠償義務を肯定したり、賠償額が増額される要素となることが考えられます。
障害者を雇用している事業主の方は、障害者の方が安全な環境で働けているか、より注意を払わなければならない時代になったといえるでしょう。

(弁護士 南部弘樹)

 

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線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻と長男の責任

新聞等で大きく報じられましたのでご存じの方も多いと思いますが、平成28年3月1日に責任無能力者の監督義務者等の責任について定めた民法714条について注目すべき最高裁判所の判例が出ています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85714
そもそも「責任無能力者」という言葉自体なじみがないですが、「自己の行為の責任を弁識するに足る精神能力を有しない者」をいうとされています。それでもまだ日常用語からは離れていますが、具体的には重度の認知症や知的障害がある人などがあてはまります。
そして、報じられていますように、線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻と長男の民法714条1項に基づく損害賠償責任が否定されました。これはどういうことでしょうか。
そもそも民法714条の1つ前に置かれている民法713条は、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」としています。これは、先ほどの責任無能力者が他人に損害を与えても損害賠償をする義務はないとするものです。
しかし、これでは被害者が救済されません。そこで、今回問題となった民法714条が置かれています。
民法714条は「(1項)…責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。(2項) 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。」としています。
つまり、責任無能力者は損害を賠償する義務はありませんが、この者を監督する義務を負う者は損害を賠償しなければいけません。
そして、先ほども触れましたとおり、最高裁判所は、線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻と長男は民法714条に基づく損害賠償をする義務はないとしたのです。
判決文はかなり長いですが、簡単に要約するとその論理は以下のとおりです。
①本件における認知症の者の妻と長男は、いずれも民法714条1項にいう監督義務者ではない。民法の規定を分析すると、配偶者だったり、後見人だったからといって直ちに監督する義務があるという立場を民法が取っていると解釈することはできないからである。
②ただし、生活状況や心身の状況などとともに、精神障害者との親族関係の有無・濃淡、同居の有無その他の日常的な接触の程度、精神障害者の財産管理への関与の状況などその者と精神障害者との関わりの実情、精神障害者の心身の状況や日常生活における問題行動の有無・内容、これらに対応して行われている監護や介護の実態など諸般の事情を総合考慮して民法714条1項の監督義務者に準じて責任を負うことはある。しかし、本件においては認知症の者の妻と長男は諸般の事情を総合考慮しても民法714条1項の監督義務者に準じて責任を負うべきとはいえない。
本件の場合、損害賠償請求をしたのが大手の鉄道会社であり、また人がケガをしたり、亡くなったりしたという事案ではありませんでした。しかし、この判例の考え方は、被害者が個人であり、また被害者がケガをしたり、亡くなったりしたという事案にもあてはまります。
たとえば名古屋地方裁判所平成23年2月8日 判例時報2109号93頁は、以下のような事案です。
Aさん(責任無能力者)は、スーパー内のレジで、おつりを受け取るのを忘れたままその場から立ち去ろうとしました。これを見ていたBさんは、気づいてもらおうとAさんに声をかけ、手を伸ばしてAさんの肩に触れようとしました。ところが、Aさんは振り向きざまにBさんの両肩付近を押してBさんを突き飛ばし、レジに戻っておつりを受け取り、その場を立ち去りました。Bさんは、Aさんの行為により、右半身を床にたたきつけられ、右上腕骨頸部骨折、右大腿骨頸部骨折という大けがをしてしまいました。その後、Bさんは自宅付近で転倒して頭部を打撲し、外傷性硬膜下血腫により亡くなりました。Bさんの遺族はAさんの両親に対し、民法714条に基づく損害賠償請求をしました。
この事案で、裁判所はAさんの両親への損害賠償請求を認めませんでした。
理由は、Aさんの生活状況などを考えると、Aさんが第三者に危害を加える可能性があることを予想することは困難だった。そのため、Aさんの両親が、外出の際にはBさんに付添いをする等して、Aさんを保護監督すべき具体的必要性があった場合とは認めらられない。したがって、Aさんの両親に対して監督義務者に準ずるとして民法714条1項あるいは2項による損害賠償請求をすることはできないというものです。
とても悲しく、やりきれない事件です。裁判官も判決文で「本件事案の内容に鑑みれば、道義的には(Aさんの両親が)何らかの損害負担をすることが望ましいものである。」などとしています。しかし、このような場合であっても法律上は民法714条による損害賠償請求はできないというのが裁判所の立場です。
判例の立場がこのまま維持されるのであれば、必ずしも万全とはいえない場合もありえますが、保険で自衛するほかないのかもしれません。

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自動車保険契約の搭乗者傷害特約の適用範囲

先日(平成28年3月4日)、デイサービスの利用者(以下「A」)が送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故(以下「本件事故」)が、自動車保険契約の搭乗者傷害特約(以下「本件特約」)における車両の運行に起因するものとはいえないとして、保険会社の、入通院保険金受領者(その後、Aが死亡したため、Aの遺族)に対する不当利得返還請求を認める判決が出されました*。

 

本件の事案はつぎのとおりです。

・本件特約は、車両の運行に起因する事故により、その搭乗者が身体に傷害を被り、入通院した場合に入通院保険金等を支払う旨が定められている。

・Aの年齢および身体の状況に鑑み、通常、Aが降車する際には、職員がAを介助のうえ、車両の床ステップと地面との間に高さ約17㎝の踏み台を置いてこれを使用させていた。

・本件事故の際、踏み台を使用しなかったところ、Aが降車する際に右大腿骨頚部骨折の傷害を負った。

・Aは、本件特約に基づき、保険金50万円を受領した。

・Aの遺族が、保険会社に対し、後遺障害保険金の支払を求めたところ、保険会社が、Aの遺族に対し、入通院保険金の返還(不当利得返還請求)を求め反訴した。

 

これに対し、最高裁は、「本件事故は、本件車両の運行が本来的に有する危険が顕在化したものであるということはできないので、本件事故が本件車両の運行に起因するものとはいえない」として、保険会社の、Aの遺族に対する不当利得返還請求を認めました。

被害者救済という観点からは、保険会社の請求を認めるべきではないとの判断もあり得ます。

しかし、上記のとおり、あくまでも本件特約は「車両の運行に起因する事故」とされており、最高裁としては、やはり車両の運行とは無関係なところで保険金支払義務を負わせるのは、無理があると判断したものと思われます。

 

なお、最高裁も被害者救済に関し、「Aの降車の際には本件センターの職員の介助のみでなく、踏み台を使用することが安全な着地のために必要であり、上記職員がその点を予見すべき状況にあったといえる場合には、本件センターに対する安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求等の可否が問題となる余地が生ずるが、このことは、本件における運行起因性の有無とは別途検討されるべき事柄である。」としています。

(弁護士 國安耕太)

*http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/726/085726_hanrei.pdf

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最新判例のご紹介(債権譲渡と異議を留めない承諾について)

6月1日、長い間確立した判例がなかった「異議を留めない承諾」(民法468条1項)について最高裁の判断が示されましたので、ご紹介します。

 

民法467条1項は、「指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。」と定めています。

そして民法468条1項は、「債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。 」と定めています。

 

平たく言いますと

 

「AさんがB社から300万円を借りた。その後、AさんはB社に200万円を返済した。ところがその後B社からAさんに対し、「あなたに対する債権をC社に譲渡した。承諾書を同封したからからサインし、印鑑を押して返送してくれ。」との連絡があった。承諾書には簡単に「私はB社の私に対する下記債権を、B社がC社に譲渡することについて、承諾します。」などと書かれていただけだった。Aさんは深く考えずに言われるままに承諾書にサインし、印鑑を押して返送してしまった。」

 

という場合、C社はAさんに対して残りの100万円ではなく300万円全部を請求でき、AさんはC社に対し300万円を払わなければいけない、ということなのです。

つまり、AさんはB社にすでに払っていた200万円分はなかったものとしてC社に300万円を払わなければいけません。Aさんにとっては大事ですね。

もしAさんが200万円をすでに払っているということを主張したかったら、Aさんは「200万円をすでに払っています。」と主張すべきでした(これを「異議」といいます。)。

 

もちろん、AさんはB社に対しすでに払った200万円を返すよう請求できます。しかし、B社が素直に返すとは限りませんし、連絡が取れなくなったり倒産している可能性もあるでしょう。

また、C社が200万円はすでに返済されているという事情を知っていた場合には、Aさんは法律上C社に対して残りの100万円しか返済する義務はありません。しかし、これを立証するのは簡単とは限りません。

 

このような場合に、C社が事情を知らなくとも知らなかったことに過失があったとき、Aさんは300万円全額を払わなければいけないのか、残りの100万円で済むのか、長いこと見解が分かれていました。

この点について最高裁は、残りの100万円でよいとの判断を示しました。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/133/085133_hanrei.pdf

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/134/085134_hanrei.pdf

 

ただ、この過失があったことをどうやって立証するかということについてはまだ問題が残されています。

内容がよく分からない書面には、安易にサインをしたり、印鑑を押さないということがまずは大切でしょう。

 

なお、民法468条1項は改正が議論されています。こちらの行方も注目されるところです。

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ライザップと広告表示

昨日(平成27年5月19日)、神戸市の適格消費者団体*1・NPO法人「ひょうご消費者ネット」が、トレーニングジムを運営するRIZAP株式会社(以下「ライザップ」)に対し、ライザップが広告でうたっている「30日間全額返金保証」表記が、景品表示法の有利誤認や特定商取引法の誇大広告に当たる疑いがあるとして、同表記の削除を求める申入書を送付したとの報道がありました*2*3。

 

ひょうご消費者ネットのホームページに、当該申入書の全文が掲載されており*4、これをみる限り、

広告には、全額返金保証と記載されているにもかかわらず、

①返金を受けるためには、会社(ライザップ)の承認が必要とされていること

②転勤や妊娠等の場合には返金が受けられないとされていること

③健康食品等については対象外とされていること

から、

㋐広告の記載が、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(景品表示法4条1項2号)であり、また、

㋑著しく事実に相違する表示、または実際のものよりも有利であると人を誤認させるような表示(特定商取引法12条)である、

との主張のようです。

 

かかる主張に対し、ライザップがどのような反論をするのか注目です。

(弁護士 國安耕太)

 

*1 景品表示法および特定商取引法では、2008年改正から、消費者に代わって消費者団体が消費者全体の被害防止のために、事業者の不当な行為そのものを差止め請求できるようにするために消費者団体訴訟制度が取り入れられており(消費者契約法は、2006年改正から)、適格消費者団体のみが団体訴訟を提起することができます。

*2 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150519-00050000-yom-soci

*3 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150518-00000147-jij-soci

*4 http://hyogo-c-net.com/pdf/150518_rizap.pdf

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土地の所有権と地下利用

先日、国土交通省が、リニア中央新幹線東京(品川)―名古屋間が2027年に開業すれば、国内総生産(GDP)を年間約5100億円押し上げる経済効果があるとの試算をしたとのニュースが報道されていました。

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150120-OYT1T50014.html

 

さて、このリニア中央新幹線、首都圏等の大都市圏内の区間では、地下トンネルを通行することになるようですが、線路用地はどのように確保しているのでしょうか。

 

民法上、土地の所有権は、「法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」(民法207条)とされています。

このため、本来であれば、リニア中央新幹線が地下を通行する区間についても、土地所有者から個別に使用の許諾を得なければならないことになります。

 

しかし、実は、大深度地下(40m以下)の使用については、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」という法律があります。

この法律に定める要件に従い、国土交通大臣等の使用の認可を受ければ、事業者(リニア中央新幹線の場合は、JR東海)は、対象地域において、当該事業者が施行する事業のために大深度地下を使用することができます(法10条)。

リニア中央新幹線については、平成26年3月に、事業概要書が提出されていますから、数年以内に、使用認可申請書が提出されるものと思われます*

 

なお、土地の「上」については、航空法に基づき、使用が制限される場合があります(同法49条)。

(弁護士 國安耕太)

 

*近時では、平成26年3月に、東京外かく環状道路(関越道~東名高速)について国土交通大臣が使用を認可しています(事業概要書の提出は、平成19年1月、使用認可申請書の提出は、平成25年11月)。

 

 

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創業支援

1月9日、平成26年度補正予算案が閣議決定され、経済産業省関連の補助金の概要が公表されました。

詳細は、後記URLのとおりですが、創業促進支援等が含まれています。
ただ、予算がそもそもあまり用意されていないことと、金額的に低額な上限が定められていますので、費用、時間、労力を掛けてまで申請するメリットがあるかどうかよく検討する必要があります。
また、上記のとおり、予算があまり用意されていないため、利用を検討する方は、早急に手続きを進める必要があります。
中小企業庁HPhttp://www.meti.go.jp/main/yosan2014/hosei/pdf/sme.pdf
(弁護士 國安耕太)

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助成金の活用をしよう!

助成金を申請してみませんか?

 

今、中小企業に人気の助成金が「キャリアアップ助成金」です。

例えば、期間を定めて雇用している労働者を、正社員に転換させた場合、1人あたり50万円(大企業は40万円)が国から助成されます(1年度1事業所当たり15人まで。)。 

労働者が1人しかいない会社や個人事業主でも、条件にあてはまれば助成金を貰える可能性があります。

また、交付された助成金は、会社が自由に利用することができます。

従業員の福利厚生、営業活動、修繕費等用途は問いません。

ぜひ、助成金の活用を検討してみてください。

 

なお、助成金の申請は、要件が複雑で、そもそも対象となっているのかが分からないこともあります。

また、必要書類が多く、手続きが複雑な場合もあります。

「助成金を申請してみたいけど、どうすればいいかわからない。」「手続が面倒」と思われる方は、当職が申請を代行することも可能ですので、ぜひ一度当職までお問い合わせ下さい。

(社会保険労務士 村中幸代)

 

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謹賀新年

あけましておめでとうございます。

当事務所も、本日(平成27年1月5日)から、業務を再開しております。

本年も、昨年(平成26年)以上に良質なリーガルサービスを、迅速に提供して参ります。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、きたる1月15日(木)に、人事・総務・法務の担当者を対象とした交流会を開催いたします。

今回は、弁理士の駒津啓佑先生が、「坊主弁理士が語る知財の裏側・使い方」と題するご講演をされます。

特許権や商標権のような知財(知的財産権)をどのように活用するのか、第一線で活躍する弁理士の話を直に聞ける貴重な機会です。

みなさま、ぜひご参加ください。

(弁護士 國安耕太)

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子育て世帯臨時特例給付金の支給について

平成25年度一般会計補正予算により子育て世帯臨時特例給付金の支給されるとの施策が公表されています。

平成26年1月分の児童手当の受給者であって、その平成25年の所得が児童手当の所得制限額に満たない方に対し、対象児童1人あたり1万円を給付するというものです。申請先は、原則として平成26年1月1日時点の住所地である市町村(特別区を含む。)とされています。

この給付のポイントは、支給対象者側から申請しなければもらえない、ということです。 お子様のいる世帯は、もらい忘れることのないよう、市区町村に申請しましょう。

なお、対象となる方についての一定の例外などもございますので、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodo

mo_kosodate/rinjitokurei/index.html

 

(弁護士 小林聡之)

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謹賀新年

あけましておめでとうございます。

旧年中は、大変お世話になりました。

本年は、事務所の人員を拡充し、さらに良質なリーガルザービスを提供して参りたいと思います。

よろしくお願い申し上げます。

(ノースブルー総合法律事務所一同)

 

 

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ホームページ始動

ホームページの運用を始めました。

 

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